扉の開く音がして──
ナムジュンさんが顔を覗かせる。
ジンさんがからかうように笑えば、ナムジュンさんは小さく眉をひそめ、控えめに咳払いした。
肩をすくめ苦笑を浮かべながら、ナムジュンさんの視線がちらりと俺たちに向けられる。
その目は俺とジョングクの間をそっと確認するように、静かに、優しく揺れていた。
──やっぱり、気にしてたんだ。
昨夜のこと。
俺とジョングクが、ちゃんと向き合えたか。
もう、すれ違っていないか。
ジョングクがにこにこと笑って誘うと、ナムジュンさんは柔らかく首を振った。
ジョングクがパンにかぶりつくのを、ナムジュンさんが目を細めて見つめている。
視線が俺に移り、問いかけるような眼差しが注がれた。
小さく頷くと、ナムジュンさんの目尻が緩んだ。それを見て、俺の胸も軽くなる。
ナムジュンさんは視線を外し、部屋の隅にある観葉植物へと歩いていった。
葉の裏を確かめ、茎に軽く触れる姿は、最初から“植物の様子を見るため”に来たかのように自然だった。
でもその後ろ姿を見ながら、ジンさんは肩を震わせ、笑いをこらえている。
ジョングクが手を振った。
片手を上げて、スマートに食堂をあとにするナムジュンさん。
──が、扉が閉まった瞬間。
ジンさんが思いきり吹き出した。
パンに夢中になってた子兎が、ふとこっちを見た。
パンを両手で持ったまま、ふわりと微笑む。
昨夜、ジンさんが言ってた言葉を思い出す。
──あの子、俺たちが思ってるより、ずっといろんなものが見えてる気がするんだよな。
──隠しきれない“本質”みたいなもんが、つい見えちゃってる感じ。
──ちゃんと深いとこ、見てると思うな。
手を伸ばして頭を撫でると、ジョングクは照れたように、でも嬉しそうに笑って、またパンにかぶりついた。
ナムジュンさんが向けていた心配の、“本当の理由”まではわかってなかったけど、ジョングクには、確かにちゃんと「人のやさしさ」が見えている。
それにナムジュンさんも、ジンさんも。
気づかないふりをしながら、静かに見守ってくれていて、そんな人たちがいてくれることの心強さを、改めて感じる。
心の中で感謝しながらも、パンで頬を膨らませてるジョングクを、デレっとした顔で見てるジンさんに、俺は言い放った。
もはや日課のような、俺たちのやり取り。
──かと思いきや。
ジンさんが思い出したように、テーブルの端にバスケットを置く。
うん、ピクニックにぴったりだ。
いよいよ今日!
🐨🐻が帰ってきますね😭
そして!
🐻🐰が揃う日まであと1日!
緊張して動悸が…🫠
『詰め』のお話の続きは夜に更新します🫶

























編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。