第148話

目と心で交わすもの
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2025/06/09 22:39 更新





扉の開く音がして──


ナムジュン
ナムジュン
あれ、朝食中だった?


ナムジュンさんが顔を覗かせる。

ジン
ジン
おやおや? これはこれは。“たまたま通りかかりました”って顔してるねぇ?


ジンさんがからかうように笑えば、ナムジュンさんは小さく眉をひそめ、控えめに咳払いした。

ナムジュン
ナムジュン
僕は植物の様子を
見に来ただけです。
ジン
ジン
ふぅ〜ん?
このタイミングで?
ナムジュン
ナムジュン
ジンさん…


肩をすくめ苦笑を浮かべながら、ナムジュンさんの視線がちらりと俺たちに向けられる。

その目は俺とジョングクの間をそっと確認するように、静かに、優しく揺れていた。

──やっぱり、気にしてたんだ。

昨夜のこと。
俺とジョングクが、ちゃんと向き合えたか。
もう、すれ違っていないか。


ジョングク
ジョングク
ナムジュンさんも、
一緒に朝ごはん食べよ!


ジョングクがにこにこと笑って誘うと、ナムジュンさんは柔らかく首を振った。

ナムジュン
ナムジュン
気持ちは嬉しいけど、
さっき済ませちゃったんだ。
ジョングク
ジョングク
そっかぁ。
ナムジュン
ナムジュン
また今度、
一緒に食べよう。
ジョングク
ジョングク
うん!
ナムジュン
ナムジュン
あ、冷めちゃうから
僕のことは気にせず食べて。
ジョングク
ジョングク
はーい!


ジョングクがパンにかぶりつくのを、ナムジュンさんが目を細めて見つめている。

視線が俺に移り、問いかけるような眼差しが注がれた。

小さく頷くと、ナムジュンさんの目尻が緩んだ。それを見て、俺の胸も軽くなる。

ナムジュンさんは視線を外し、部屋の隅にある観葉植物へと歩いていった。


ナムジュン
ナムジュン
朝の光は足りてるね。水やりは午後でも大丈夫そうだな。


葉の裏を確かめ、茎に軽く触れる姿は、最初から“植物の様子を見るため”に来たかのように自然だった。

でもその後ろ姿を見ながら、ジンさんは肩を震わせ、笑いをこらえている。


ナムジュン
ナムジュン
じゃあ、僕は部屋に戻るね。


ジョングクが手を振った。

ジョングク
ジョングク
ナムジュンさん、またね!
ナムジュン
ナムジュン
うん、またね。


片手を上げて、スマートに食堂をあとにするナムジュンさん。


──が、扉が閉まった瞬間。

ジン
ジン
ぶはっ、


ジンさんが思いきり吹き出した。

ジン
ジン
あいつさー、絶対
おまえらのこと見にきたよな!
テヒョン
テヒョン
でしょうね。
ジン
ジン
自然を装って植物の観察してたけど、あれ事前に考えてたんじゃね?
テヒョン
テヒョン
だと思います。おそらく、昨夜のうちに練ったんでしょう。
ジン
ジン
それな!
ジョングク
ジョングク
んぅ?


パンに夢中になってた子兎が、ふとこっちを見た。

ジョングク
ジョングク
なんのお話してるの?
テヒョン
テヒョン
ナムジュンさんの話だよ。
ジョングク
ジョングク
ナムジュンさん? ふふ、
きっと心配だったんだよね?
テヒョン
テヒョン
え?
ジョングク
ジョングク
来たとき、僕とテヒョンのほうばっかり見てたでしょ?葉っぱさんのことも見てたけど、心配だったのは、僕たちのほうだったのかなって思ったの。
ジン
ジン
………
テヒョン
テヒョン
………
ジョングク
ジョングク
ナムジュンさんもジンさんみたいに、僕たちがちゃんと食べてるか気にしてくれてるのかな?


パンを両手で持ったまま、ふわりと微笑む。

ジョングク
ジョングク
それってやさしいことだよね?なにも言わないで、そっと様子を見にきてくれるの。


昨夜、ジンさんが言ってた言葉を思い出す。


──あの子、俺たちが思ってるより、ずっといろんなものが見えてる気がするんだよな。

──隠しきれない“本質”みたいなもんが、つい見えちゃってる感じ。

──ちゃんと深いとこ、見てると思うな。


テヒョン
テヒョン
…気づいてたんだな。
ジョングク
ジョングク
うん。でもね、黙ってることにしたの。ナムジュンさんも、“黙ってたい”って思ってたみたいだったから。
テヒョン
テヒョン
そっか。偉いな。
ジョングク
ジョングク
えへへ。


手を伸ばして頭を撫でると、ジョングクは照れたように、でも嬉しそうに笑って、またパンにかぶりついた。


ナムジュンさんが向けていた心配の、“本当の理由”まではわかってなかったけど、ジョングクには、確かにちゃんと「人のやさしさ」が見えている。


それにナムジュンさんも、ジンさんも。
気づかないふりをしながら、静かに見守ってくれていて、そんな人たちがいてくれることの心強さを、改めて感じる。


心の中で感謝しながらも、パンで頬を膨らませてるジョングクを、デレっとした顔で見てるジンさんに、俺は言い放った。


テヒョン
テヒョン
で、いつまでいるつもりです? また用もないのに来たんですか? 暇なんですか?もしかして仕事サボってます?
ジン
ジン
やー!だからその真顔で詰めてくんの怖いからやめろってぇ!
ジン
ジン
あと毎朝言ってんだろ?俺は可愛いジョングクがちゃんとごはん食べてるか心配で来てんの。おまえに用はありません〜。


もはや日課のような、俺たちのやり取り。


──かと思いきや。

ジン
ジン
あ、今日はちゃんと
用あったんだった。


ジンさんが思い出したように、テーブルの端にバスケットを置く。

ジン
ジン
今日の昼用にね、サンドイッチ用のパン焼いたんだよ。冷める前に持ってきた。あとで味見してみて。
テヒョン
テヒョン
サンドイッチ用…


うん、ピクニックにぴったりだ。


テヒョン
テヒョン
ジンさん
ジン
ジン
ん?
テヒョン
テヒョン
頼みがあるんですけど。









いよいよ今日!
🐨🐻が帰ってきますね😭
そして!
🐻🐰が揃う日まであと1日!

緊張して動悸が…🫠


『詰め』のお話の続きは夜に更新します🫶




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