俺がそう切り出すと、ジンさんは「ん?」と眉を上げてこちらを見る。
やっぱりきたか。
声も顔も、完全に不満全開モード。
ジョングクが、ぱちんと手を合わせて、上目づかいでジンさんを見上げる。
瞳がうるうると光ってて、この顔をされたら俺ならひとたまりもないが、ジンさんは…
見事に固まってるな。
沈黙。
そして──
まさかの快諾。
ついさっきまで文句言ってた人と、同一人物とは思えない豹変っぷり。
ジョングクの申し出に、ジンさんは目を細めてニコニコしている。
ぴしゃりと言い返したが、ジンさんの機嫌が絶好調なことは火を見るより明らかだった。
…まあ、結果オーライか。
ジョングクが身を乗り出して、ぱぁっと顔を輝かせる。
ジョングクが嬉しそうに返事して、ぱくりとパンの残りを口に運ぶ。
その頬がハムスターみたいに膨らんでいて、この上なく可愛い。
朝食を食べ終えた俺たちは、時間を見計らって厨房に向かった。
ジョングクが弾む声で扉を開けると、中ではジンさんが、すでに材料を並べて待っていた。
ジンさんは笑ってジョングクに向き直る。
ジンさんが差し出したのは、小さめサイズの、なんとも可憐な花柄エプロン。
止めるべきだろうな、と思った。
でも似合うのは間違いないし、正直ちょっと、いやかなり見てみたい。
理性と好奇心がせめぎあう。
結局、俺の口は黙ったままだ。
ジョングクが少し照れながら、エプロンをつけ始める。紐に手間取ってるのを助けてやった。
ジンさんが満面の笑みで叫ぶ。
恥ずかしそうに笑った子兎は、俺のほうに向き直って首を傾げた。
くっ…か、かわいい……
その姿をジンさんに見られてることが腹立たしくなるくらいには、可愛い。
うれしそうに手を広げて、くるりと一回転。
スカートみたいな裾が、ふわりと揺れる。
あぁ、もう…
またそんな可愛いことを…!
そんなやり取りをしている間に、子兎はとことこ歩いて流しに向かい、おとなしく手を洗っていた。
手を泡だらけにして、丁寧に指先まで洗ってるのが、いかにもジョングクらしい。
キッチンの窓から差し込む陽で、泡立てた石けんがきらきら光って、指先で魔法でもかけてるみたいだ。
結んだ花柄のエプロンの紐が、手の動きに合わせてふわふわ揺れる。
それがまた、なんともいえず愛らしい。
つい見入ってたら、
ぼそり、ジンさんの声が聞こえた。
🐥🐰が帰ってきますね…!
そして!🐻🐰がいよいよ揃いますね!
待ち侘びたこの日を、みなさまと迎えられることを幸せに思います!
あぁ…ドキドキし過ぎて吐きそうです…
ファーーーーーっ!!
『詰め』の後編は夜に更新しますね🫶
























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。