第64話

60
2,335
2019/08/20 23:44

病院ーー

「二宮さんの部屋は305です。
二宮さん……今日の朝お目覚めになられました。」
あなた
あなた
……!
ありがとうございます。

あれほど暗かった気分が一気に晴れた。

落ち着かないと、と思うのに

嬉しすぎて小走りになる。















305






あなた
あなた
ここ……

二宮和也様と印刷されている文字をなぞる。

落ち着いて……




深呼吸をして中に入った。










あなた
あなた
こんにちは……

そう呟くと、窓の方を向いていた彼が

ゆっくりとこちらを向いた。

その瞬間、目の前がボヤけて見えなくなった。


少ししょっぱい水が頬をつたう。

二宮和也
二宮和也
…なんで……泣いて…るの……
あなた
あなた
ご……め……ッ
二宮和也
二宮和也
謝ら……ない、で
あなた
あなた
良かった…本当に……

そう言って彼の横にある椅子に座り泣き続けていると

彼は微笑んでずっと私の頭を撫でてくれた。












あなた
あなた
ねぇ、和也……私の名前呼んでくれない…?

涙が少し乾いてきた時

唐突にそう言った。


彼を見ると、「どうして?」と言いたそうな顔をしていた。


あなた
あなた
確信したいから……ダメ?

そう言っても、彼は口を閉じたまま

悲しそうな、、複雑な表情をしていた。


二宮和也
二宮和也
……あの……

思い口を開くように彼が呟いた瞬間

勢いよく……とまでは行かないが

私が開けた時よりかは乱暴に

ドアが開いた。










相葉雅紀
相葉雅紀
ニノぉぉぉ!!!!
あなた
あなた
あ、相葉くん?!
相葉雅紀
相葉雅紀
良かったぁ、目覚めたんだね!!
大野智
大野智
こらこら、ここ病院だから。
櫻井翔
櫻井翔
久しぶり、ニノ……
松潤
松潤
ごめん、あなた
JUMPのみんな収録中だったから先に来ちゃった
あなた
あなた
うん、いいよ大丈夫。
大野智
大野智
ニノちゃんどうしたの??

それまで私たちは夢中で気づかなかったけど

和也は、困ったような表情を浮かべた。




そして、










私たちは耳を疑うような言葉を耳にした。















二宮和也
二宮和也
えっと……












どちら様…ですか……?

プリ小説オーディオドラマ