第2話

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2023/10/23 08:51
NO siten
総統室の窓から、暖かい春を告げる風が吹き込む
gr
ふぅ……
机に肘を付き、軽く顔に手を当てる総統
ゆっくりと吐き出した息は、何か物足りなさを感じているようだった
tn
ガチャ
グルさんー?書類やったんかー?
gr
い、一応終わらせたぞ…


tn
…そ、んじゃ、ついでにケーキ持ってきたから食うか?
gr
食べます✨️
……この会話を聞いていると、後から部屋に入ってきた者の方がよっぽど総統に見える
甘党5歳児と、苦労人書記長……
……なんか可哀想()
gr
モッキュモッキュ
tn
…なんか悩み事あるんか?
扉越しからでもため息が聞こえたで?
書記長がケーキを1口食べると、間もなく喋り出す
gr
ゴクン
……それはな…



















gr
最近平和過ぎて戦争が出来んのや
tn
聞いて損したわ
呆れたような顔をしている書記長
tn
……戦争と言えば…
何かを思い出し、胸元のポケットをゴソゴソと探る
彼が取り出したのは、一通の手紙だった
黒い封筒に、赤い十字架マークのシール
これは、この世界で宣戦布告を意味する封筒だった
gr
ほう…
tn
俺は一応見たで
総統は、書記長のことを横目に、封筒を開封する
内容は、ざっとこのようなもの
wr国総統へ

やぁ、宣戦布告をさせて頂くぞ☆

×××年×月××日に我々の軍を率いり、そちらに向かわせる

楽しみにしとけ☆

君のよーく知ってる人物より
…ちょっと脳みそがお花畑過ぎて引いてしまうレベルだな
しかも、日付は今日
gr
…これ、あなたの下の名前(カタカナ)か?
tn
さぁな……
彼らは苦笑いを浮かべている
こんなに頭がお花畑の人物は、彼らがよーく知っている限り……
前総統、あなたの下の名前(カタカナ)
彼女は戦争が大好きだったが、総統という理由で参加が不可能であった
gr
しかも、今日って……
丁度その時
『場内に侵入者!直ちに警戒せよ!』
インカムから、侵入者の報告が告知された
tn
…まじかよ……w
gr
まぁ、紅茶でも飲んで待ってるか……
総統が紅茶を1口口に含む
tn
…平和やなぁ←今の状況でそんなこと言えんのか?
.
そうそう、戦争が全然ないよねー
gr
ブフッ!!?
窓の外から、誰かが書記長の独り言に応える
.
ドッカーーン☆
そう聞こえた瞬間、閉じていた窓がパリィンと割れた
tn
壊すな阿呆ぉおおおおお!!!
書記長が思わず、その人物に怒鳴りかける
.
え、酷い
泣いちゃうよ?
tn
好きにしろ
.
ウッ…ウッ……泣
gr
相変わらず嘘泣きがお上手やな
.
んだよそれ
全然嬉しくないんやけど
彼らは呑気に侵入者と会話をしている
gr
……でも、変わってへんな…



















gr
“あなたの下の名前(カタカナ)”
ありがとうございます……!

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