第11話

第十一話 その後の出来事
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2024/06/27 12:16 更新
博麗霊夢
博麗霊夢
帰ったわよー
 とりあえず調査に一段落をつけて、私は自分の家こと博麗神社に帰った。
 普段は誰も居ないのだが、最近は違う。帰って早々、元気な声が私を出迎える。
和泉瑠依
和泉瑠依
お帰りっ!
 この少女、和泉瑠衣は数日前に外の世界から幻想郷に入ってきた、所謂"外来人"という類いの人間だ。博麗の巫女はこういった人間を返すことも仕事なのだが、彼女の固い意思によって帰ることを拒否され、そしたら住む宛もないので、私の家で居候させているというわけだ。
和泉瑠依
和泉瑠依
今日は案外早かったね
博麗霊夢
博麗霊夢
なんか長くなりそうだから、一段落つけて帰ってきたわ。まだ時間はあるから明日に回す
和泉瑠依
和泉瑠依
それもそうだね。ゆっくりやっていこう
和泉瑠依
和泉瑠依
…ねぇ、明日から私もついていってもいい?
博麗霊夢
博麗霊夢
ダメ。あんたがついてきても足手まといになるだけだから
和泉瑠依
和泉瑠依
失礼な!私だって自己防衛の術くらいわかってるよ!
博麗霊夢
博麗霊夢
まだ能力に慣れたってだけでしょ?あんたの能力には攻撃性能がないから、基礎的な土台で補わないといけないんだから……
和泉瑠依
和泉瑠依
…そうだけどさ
和泉瑠依
和泉瑠依
私だってタダで居候させてもらってるのは申し訳ないって感じるよ。だからせめて、君の役に立ちたいの!
 そう言う彼女の目は真剣そのもので、本当にそう思っているのだろう。だけど、彼女を危険な目に遭わせる訳にはいかない。これは私の責務で、私が果たさなければならない使命だからだ。
博麗霊夢
博麗霊夢
…それでもよ。あんたには危険すぎる
 今のところはまだ大丈夫かもしれない。だが、いつ危険になるかなんてわかったものじゃない。いざ危険に出会ったとき、私がこの子を守りながら戦えるかは、怪しいところがある。
博麗霊夢
博麗霊夢
…ごめん、今日は寝るわね。明日も早いから
 黙り込んだ瑠衣を背にして、私は部屋を出ていった。
 柊神威side
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
いやー、今日は絶好の散歩日和ね!
柊神威
柊神威
…夜の散歩だという点には触れない方がよろしいでしょうか?
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
吸血鬼が夜に活動的だなんて別におかしくないでしょ?
柊神威
柊神威
…そう言えばそうですね
 私はお嬢に連れ出され、夜の散歩に連れ回されている。なんかここ最近はやけにお嬢が活動的だ。何かあったのだろうか。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
こんな月明かりが綺麗な日に散歩をするのも、中々にロマンチックよね
柊神威
柊神威
浪漫ですか…すみません。私にはよくわかりません
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
まあ、あなたにもいずれか風情というものが分かるようになるわよ
 そんな会話をしていると、かすかに違和感を感じた。
柊神威
柊神威
…!
 静かな夜だからわかった。私たち以外の足音が聞こえる。段々とこちらに足音は近づいてくる。
 私は真っ先にお嬢に報告をし、私も周囲を警戒する。
柊神威
柊神威
お嬢、気をつけてください。誰かいます
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
こんな時間に?妙なものね
 私は刀を抜き、臨戦態勢をとる。
柊神威
柊神威
……
 足音が更に近づいてきた刹那、私はその音源に向かって刃を横に凪ぐ。そして、対象に当たる直前に刃を止める。脅しのためだ。
和泉瑠依
和泉瑠依
ストップ!ストップ!私死んじゃうって!
柊神威
柊神威
瑠依さん?!
 私は刀をすぐに納め、瑠依さんと話を始める。
和泉瑠依
和泉瑠依
って神威?!どうしてここにいるの?!
柊神威
柊神威
こちらが聞きたいですよ!
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
…えっと、神威。その子とは知り合いなの?
柊神威
柊神威
はい。前に人里に連れていってもらったときに知り合ったんです。名前は─────
和泉瑠依
和泉瑠依
私は和泉瑠依!よろしくね!
 彼女は私が紹介するよりも早く私の言葉に割って入って名乗る。まあ、彼女らしいことではある。
柊神威
柊神威
…だそうです
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
初めまして。私はレミリア・スカーレット。吸血鬼よ
和泉瑠依
和泉瑠依
吸血鬼?!
 そう聞いた瑠依さんは途端に逃げ腰になり、いつでも逃走できるような体勢になっていた。
和泉瑠依
和泉瑠依
私の血は美味しくないよ?!
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
そうかしら?実際に吸わなきゃわからないじゃない
和泉瑠依
和泉瑠依
ちょちょっ!?ホントに吸うつもり?!
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
…なんてね。冗談よ
柊神威
柊神威
明らかに初対面の人にやる冗談ではない気がするのですが
 まだ関わって日が浅いからか、私にはお嬢の考えていることはまだわからない。
柊神威
柊神威
…それで、なぜ瑠依さんはここに?
 彼女は柄にもなく少し悲しげな表情を浮かべ、まるで話すことを躊躇っている様子だった。だがすぐに表情は明るくなり、口を開いた。
和泉瑠依
和泉瑠依
ちょっと気晴らしに散歩してたところだよ
 瑠依さんはなにかを隠しているようだが、言っていることは嘘ではないと私は直感的に感じる。彼女とは会って日も浅いため、深堀は失礼になるかもしれないと考え、私はあまり触れないでおいた。
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
…そうだったのね。でも、ここはあんまり散歩コースに適してないわよ?この時間は妖怪が出ちゃうから
柊神威
柊神威
じゃあなんでここを散歩してるんですか……
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
えっ?だって神威が守ってくれるでしょ?
柊神威
柊神威
まあ、そうですけど……
 今の時点なら恐らく普通にお嬢の方が私よりも強いはずなのだが。だが、私は用心棒。与えられた責務は何がなんでも果たさねば。
和泉瑠依
和泉瑠依
…羨ましいなぁ
柊神威
柊神威
どうかされましたか?
和泉瑠依
和泉瑠依
ああいや、なんでもないよ!
柊神威
柊神威
…辛かったら話してくださいよ。話ならいくらでも聞きます
和泉瑠依
和泉瑠依
大丈夫だって!心配性だなぁ
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
…家まで送っていきましょうか?さっきも言った通り、ここは一人じゃ危険よ?
和泉瑠依
和泉瑠依
大丈夫!帰り道は覚えてるし、逃げ足に自信はあるからね
和泉瑠依
和泉瑠依
それじゃ!また会おうね!
 そう言って瑠衣さんは来た道を戻って駆け足で帰っていった。
柊神威
柊神威
…大丈夫でしょうか
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
…心配ではあるわね。あの子、明らかに何か抱えてるだろうし
柊神威
柊神威
ですよね。私もそう思いました
レミリア・スカーレット
レミリア・スカーレット
かといって、無理に聞き出すのは一番よくないわ。余程のことにならない限りは、相手の方から話してくれるのを待った方がいいかもね
柊神威
柊神威
…そうですね
To be continued 

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