とりあえず調査に一段落をつけて、私は自分の家こと博麗神社に帰った。
普段は誰も居ないのだが、最近は違う。帰って早々、元気な声が私を出迎える。
この少女、和泉瑠衣は数日前に外の世界から幻想郷に入ってきた、所謂"外来人"という類いの人間だ。博麗の巫女はこういった人間を返すことも仕事なのだが、彼女の固い意思によって帰ることを拒否され、そしたら住む宛もないので、私の家で居候させているというわけだ。
そう言う彼女の目は真剣そのもので、本当にそう思っているのだろう。だけど、彼女を危険な目に遭わせる訳にはいかない。これは私の責務で、私が果たさなければならない使命だからだ。
今のところはまだ大丈夫かもしれない。だが、いつ危険になるかなんてわかったものじゃない。いざ危険に出会ったとき、私がこの子を守りながら戦えるかは、怪しいところがある。
黙り込んだ瑠衣を背にして、私は部屋を出ていった。
柊神威side
私はお嬢に連れ出され、夜の散歩に連れ回されている。なんかここ最近はやけにお嬢が活動的だ。何かあったのだろうか。
そんな会話をしていると、かすかに違和感を感じた。
静かな夜だからわかった。私たち以外の足音が聞こえる。段々とこちらに足音は近づいてくる。
私は真っ先にお嬢に報告をし、私も周囲を警戒する。
私は刀を抜き、臨戦態勢をとる。
足音が更に近づいてきた刹那、私はその音源に向かって刃を横に凪ぐ。そして、対象に当たる直前に刃を止める。脅しのためだ。
私は刀をすぐに納め、瑠依さんと話を始める。
彼女は私が紹介するよりも早く私の言葉に割って入って名乗る。まあ、彼女らしいことではある。
そう聞いた瑠依さんは途端に逃げ腰になり、いつでも逃走できるような体勢になっていた。
まだ関わって日が浅いからか、私にはお嬢の考えていることはまだわからない。
彼女は柄にもなく少し悲しげな表情を浮かべ、まるで話すことを躊躇っている様子だった。だがすぐに表情は明るくなり、口を開いた。
瑠依さんはなにかを隠しているようだが、言っていることは嘘ではないと私は直感的に感じる。彼女とは会って日も浅いため、深堀は失礼になるかもしれないと考え、私はあまり触れないでおいた。
今の時点なら恐らく普通にお嬢の方が私よりも強いはずなのだが。だが、私は用心棒。与えられた責務は何がなんでも果たさねば。
そう言って瑠衣さんは来た道を戻って駆け足で帰っていった。
To be continued



































編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。