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第1話

𝑷𝒓𝒐𝒓𝒐𝒈𝒖𝒆
132
2026/07/14 09:00 更新




 坂本商店のドアベルが
 からん 、と軽快に鳴る午後 。


 木漏れ日に目を細めながら 、
 一人の少女が " 世界一安全な店 "
 とも言われるその店へ足を踏み入れた 。




シン「いらっしゃいませー」




 現在 、店内にいるのはシンだけ 。


 少女は少しキョロキョロと見渡したあと 、
 その事実に気づいたようで少し肩を落とした 。


 だが すぐに顔をあげると 、棚に並ぶ商品には
 目もくれずレジで新聞を広げ暇そうにしている
 彼へ歩み寄った 。




『おにぃさん 、こんにちは !!
店長さんに用があるんですけど 、今居ますか ?』


シン「店長 … あぁ 、坂本さんの事か 。
坂本さんならもうすぐ来ると思うぞ 」


『ほんとぉ ? よかった !! 』




 少し舌っ足らずな喋り方に
 シンは少しだけ気が緩む 。


 ほっと胸を撫で下ろした少女は 、
 「今日暑いしアイスでも買おうかな ~ 」
 と年相応に目を輝かせ 、アイスケースを覗き込んだ


 その様子を見ながら 、
 シンはほんの少しだけ彼女の用件が何なのか
 疑問に思う





シン(こんな小さい子が坂本さんに用 … ?
…… 少し気になるから 聞いてみるか)




 そう思い いつものように
 思考を読もうとした 、その瞬間 。





シン「……っ」(思考が読めない … !?)




 まるで心だけがぽっかりと存在しないような 、
 不気味な静けさ 。


 坂本も心の中では無口だが 、
 彼女は " 音 " 1つすら感じさせない


 驚きに目を見開いた 、その時だった 。



 バックヤードから
 シーフードカップ麺の容器を持った
 坂本が現れた 。


 彼は 少女の後ろ姿を確認した瞬間
 小さく息を飲む




坂本「 ……その姿 、まさかお前」





 聞こえてきた低い声に 、
 少女は弾かれたよう くるりと振り返る 。




『……やぁっと来た ~ 坂本くん遅いって』






 刹那 、店内の空気がぴんと張り詰める 。


 咄嗟に戦闘態勢を取るシンとは対照的に 、
 坂本は酷く落ち着いた様子で少女へ声を掛けた 。




坂本「その声 … やっぱりあなたなのか ?
死んだと聞いていたが … 」




 謎の少女と坂本が知り合いだったこと 、
 それから死んでいたという認識に
 事情の知らないシンは置いてけぼりにされる


 だけどお構い無し 、と言ったように
 少女は頬を膨らませぷんぷんと腕を組んだ




『坂本くん酷い !! 確かにあなたは死んだけど 、
あれくらいじゃ死なないよ ~ !! 』


坂本「 … 矛盾してるぞ」




 意味の分からないことを口にする
 " あなた " と呼ばれた少女 。


 それでも坂本は動揺することなく 、
 慣れたように会話を続けた




坂本「それより 、その姿はどうした ?
子どもの姿は動きが鈍るって 嫌がってただろ」


『鋭いねぇ 、流石だ !! 笑
実はちょっと困ったことになってて …』




 少女 … あなたは困ったように笑って 、
 ぽりぽりと頬を掻いた




『… この姿から 、元に戻れなくなっちゃった』






𝐍𝐞𝐱𝐭······▸

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