タッ、タッ、タッ、タンッ
乾いた地面を蹴るたび、僅かな砂埃が舞う。
ここだけに強い風が砂を巻き上げ、姿を見せない彼女の痕跡を映し出した。
刹那、
幾つものボールが受験者めがけ、飛び込んだ。
風によって操られた目にも追えない数のボール。
ものの19秒。
防戦を強いられた時点でもう決着は決まっている。
3つの的はボールが触れたことを示す青色に光っていた。
ふわり
落下したボール同様着地した少女にそう問いた。
彼女は拾い上げたボールを見せた。
信じられない。どれ程の速さでボールを操作していたんだ。
コントロールがこの子に出来るのか。
雄英?
体育祭にいなかっただろ?
雄英なら、この子も1年生だろうな。
年下に、こんなすぐにやられるなんて。くっそ。
彼女は何に対して謝っているのか。深くお辞儀をして、駆け足で去っていった。
2人目の合格者の放送が響いた。
合格者待機場へ行くと、既に1人男子生徒が居た。
紫雲翼です。と自己紹介を終わらせる。
そのまま話さなくてもいいんだけど、2人しかいない部屋は少し気まずい。
はい!バァーンってブワッてやるんですよ!
と笑顔で返された。
うん。諦めよ。
あたしは気になってたことを質問する。
「なんか甘くないですか?」
こう返すので精一杯だった。
その後、夜嵐さんはクラスメイトと話し、会話は無くなった。
苦い緑茶を一気に流し込む。
冷たさが下へ、体の中を走り抜ける。
ぐちゃぐちゃしたものの整理が出来ないまま、第2次試験が始まった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。