ピッ、ピッ
規則的な音に目を覚ませば、掠れた視界の端に移る医者と思わしき人達がバタバタと騒いだりどこかに行くのがわかった。
体を起こそうとすれば、背中に激痛が走り思わず声が出た。
背中がいつもより重い。その正体は、案外すぐにわかった。
俺には、翼が生えていた。
なぜこうなったのかは分からず、可能性があるとすれば小さなビンだが、目覚めた後に聞けば助けてもらった時に周囲にそんなものはなかったんだとか。
俺の母は天使ではあったが、後天的に天使の翼が現れたケースは初めてらしく、様々な検査が行われた。
素直になったりと性格の変化はなかった。逆に背中にある翼は重くて、いつもこれをつけてるのに綺麗な姿勢を保っていたあなたさんへの尊敬の念と、急に対応が変わった周りへの諦めがついた。
約半年の間、訓練と並行して高校の勉強をして、2学期からやっと高校に通えることになった。
運よく転校をしなくてもいいことになり、あなたの通っている高校へ…いや、俺が本来通う予定だった高校へ通えるのだ。
看護師さんに突然言われて驚いて思わずそちらを見れば、看護師さんはふふっと笑った。
看護師にすらばれてたのはとてつもなく恥ずかしかったが、今の姿なら…あなたさんの隣を歩いても、ええんちゃうか…?と考え始めていた。
あなたさんの隣で話すことはおろか、隣に居る事すら想像したら顔を真っ赤にしてしまって、看護師さんが微笑んでるのを見て逃げるように布団をかぶった。
そうして、数週間後には鎮痛剤が無くても痛むことはなくなり、微かになら動かせるようになった。
天使の事についても色々聞いて、やっぱりあなたさんは天使の中でもはじめの方に近いんだという事も判明した。
他の天使がいた方がええんちゃうか…?
いや、でも学校には普通の人の方が多いし、普通の人があなたさんを誘拐したりしないとも限らんし…。








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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!