第6話

第五章 最後の別れ
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2025/11/15 11:30 更新
夕焼けの校庭。

紫苑と煌陽が並んで歩いていた。

その姿はとても自然で、暖かかった。

私はゆっくり近づいた。

「紫苑…煌陽。」

二人が同時に振り向く。

その笑顔が眩しくて、胸が痛い。

「どうしたの?空見。」

紫苑が首をかしげる。

私は、ゆっくり息を吸った。

「ありがとう。二人に会えて…よかった。」

「え、何いきなり?」

紫苑は笑う。

煌陽は少し心配そうに眉を寄せた。

「私……そろそろ行かなきゃいけないの。」

「帰るの?」
「どこに?」

二人の声が重なる。

私は夕日を見上げた。

橙色の光の中で、

私の手が薄く透けていく。

紫苑が目を見開いた。

「空見!?手…どうしたの!?」

煌陽が駆け寄り、私の肩に触れようとする。

でもその手は、私をすり抜けた。

「……!」

私は微笑んだ。

「二人が幸せなら、それでいいの。それが…私がここに来た意味だから。」

紫苑の瞳が揺れた。

「意味って……何を言ってるの…?空見、私…空見のこと…」

「大好きだよ、紫苑。」

紫苑の頬を涙が伝う。

「私も……!!」

煌陽も必死に声を上げる。

「空見!!行くな!!」

私は首を振った。

「煌陽。紫苑を…よろしくね。」

震える声で、煌陽は言った。

「……あぁ。絶対守る。
 空見が、俺たちを繋いでくれたから。」

胸が熱くなる。

「ありがとう。」

光が私の足元からゆっくり昇っていく。

紫苑は手を伸ばした。

触れられないのに、それでも掴もうとする。

「空見!!いやだ…行かないで……!!」

私は涙をこらえて笑った。

「紫苑。愛してるよ。あなたが幸せな未来を生きてくれたら…私はそれだけで充分。」

最後の光が視界を覆い──

世界が、音のない白に染まった。

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