第21話

私のせいだ。
315
2019/11/12 12:59 更新
前橋 藍
……香織!
振り返ると、屋上のドアが開き、息を切らした香織の姿が見えた。
戸羽 香織
藍……!!ごめん……、ごめん……!
そして、ドアから出てきたのは香織だけではなかった。
私が1番見たくなかったその姿。
桧谷 沙弥
感動の再会って感じ~?
嘲笑うように私達に問いかける桧谷。
桧谷 沙弥
残念だけど、アンタ達をここで仲直りさせる訳にはいかないのよね~
髪の毛を指でくるくると巻きながら余裕ぶった表情で桧谷は言う。
戸羽 香織
あのね、藍。全部、全部私が悪かったの。
俯いた顔をあげた香織の瞳には、決意の色が浮かんでいた。
桧谷 沙弥
戸羽。最初に言ったよね?お前を殺すって。
平然と殺すと言った桧谷。
戸羽 香織
私が、藍を裏切ったの。
桧谷 沙弥
戸羽。
大きな声で香織の名前を呼ぶ桧谷は、怒りの色が混じっていた。
戸羽 香織
私が、悪いの。
戸羽 香織
桧谷に脅されて、従うしか無かった……ゴホッ
戸羽 香織
もう、藍と一緒に……ゴホッゴホッ
戸羽 香織
いる資格は……ゴホンッゴホッ
前橋 藍
香織?どうしたの?
香織は苦しそうに胸を抑え、咳き込んでいる。
戸羽 香織
ゴホッ……今までありがとう藍。
戸羽 香織
ばいばい……ゴホンッゴホッ
そう言うと香織は血を吐いてその場にゆっくりと倒れてしまった。
前橋 藍
香織っ……!
私は大声で先生を呼んだ。
前橋 藍
先生っ……!先生……!
そして、救急車を出して貰うため、電話している。
香織……
目を覚ましてよ。
独りにしないで。
香織……!
✳ ✳ ✳
医院長
戸羽香織さんは、元々心臓の病気だったんですが、これにより、治らなくなりました。
治らなく、なった……?



なんで……?












ただ、『なんで?』と思った。


なんで香織は治らないの?

悪いことした?


そんなの、桧谷の方が悪いじゃん……










そう思ってからふと柳の言葉を思い出した。


”辛いときも前を向いて“







そうか。私が香織を助けたら良いんだ__
医院長
香織さんが唯一助かる方法は、1つだけあります。
唾を飲んでから、ゆっくりと私は息を吸う。




うん。これでいい。


正解でも正解でなくても、私が選んだ、1つの道。


柳。折角右目くれたのに、ちょっとしか使ってないや。

でも、無駄では無かったよ。


だって、その目でコンクールの結果は見たんだから。


柳。おめでとう。



本当に凄いや。


私、そんな柳と親友になれて嬉しかったな。














__怖くないの?





__勿論怖いよ。でも、私は進むから。
前橋 藍
あの……!
























『____________。』

プリ小説オーディオドラマ