第20話

ごめんね、柳。
252
2019/11/11 08:30 更新
前橋 藍
どうしたら良かったんだろう……
柳、私は貴方みたいに強くないんだ。
だから、独りで戦っていく力なんて無いよ。
柳。折角右目くれたのに、無駄にしてごめんね。
でも、本当に考えたんだ。
やっぱり、私は調和出来ないみたい。
今までありがとう。
そういえば、コンクールの結果見た?
入賞してたよ、柳の描いた絵。
凄いよ。凄いよ柳。
でもね、そんな柳だからこそ理解できないんだよきっと。
でも、私から言えることはただ1つ。
今、屋上から見えてる景色はあの柳の描いた絵のように綺麗だよ。
最後に見たものが、あの柳の作品みたいな綺麗なもので、良かったなぁ……
今からそっちに行くよ。
一つ言っておくけど、別に右目が青色になったことは後悔してないよ。
でもね、香織に裏切られた傷は癒えなかったんだ。
だから、柳。
そこで待っててね。
今から行くよ。
香織。柳。今までありがとう。
ばいばい!



私は屋上のフェンスに足をかけた。
ここは四階。
多分死ぬかもしれない。
でも、今まで生きてきた人生に悔いはないかな。
前橋 藍
……さようなら、皆。
最後に夕焼けを目に焼き付けると、息をゆっくりはいた。
誰にも聞こえる筈の無い声は、夕焼けの中に吸い込まれる。
悲しい風が私のスカートをふわりと揺らす。
前橋 藍
……ばいばい!






















ガチャッ
びっくりして後ろを振り返ると、屋上のドアが開いていた。
そこには、ある人影が。
前橋 藍
……!

プリ小説オーディオドラマ