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第1話

第1話
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2024/04/02 11:59 更新
仗助
やべー遅刻する〜
高校入学式、それは新しい一歩を踏み出す一日であり、華々しい日でもある。
朋子
仗助ぇー
あんた大丈夫?遅刻するよー
兄と母が何やら騒いでいるのをドア越しに耳にする。
あなた
(そういえば今日、なんかあったっけ)
入学式_。思い出すとため息が出る。
私は学校が嫌いだ。一応高校入試を受けてなんとか受かったのはいいものを、別に受からなくてもどっちでもいい。そこが重要ではないのだ。

中学生から学校をサボり気味になり、ついには行かなくなる。そんなことは、この世界のどこでもありそうな話だ。なので学校をサボっている自分には特段嫌な思いをしたりすることは無いが、、、
朋子
ちょっとー、あなた、
あんたも高校に受かったんだから、
今日くらいは学校に行きなさいよ。
あなた
(いやだ!行きたくない……)
母はそれを許してはくれないのだ……

うちの家族、母、兄、あとおじいちゃん、共々はみな明るい性格で、私のネガティブな性格とは真逆なのだ。
だから私の考えを分かってくれるよき理解者もいないし、いつもなんで私はこの明るい家族からこの性格を受け継いだのだろうと、甚だ疑問である。だからあまり家族とは会話をしないし、おじいちゃんは可愛い孫娘の私をよく気にかけてくれるが逆にそれ苦しい……!寧ろ厳しいことでもなんでも言って学校に行かせてはくれないだろうか……と思ってしまっていた。
あなた
(はぁ、なんでこんなことになるのだろうか。)
私はこういう時、何をすればいいか知っている。何か夢中になれるものを見つけるのだ。なんでもいいから、なんでも今を忘れられることを見つける。そうすれば自然と心は豊かになっていき、今じゃ考えられないような落ち着いた生活ができる……と信じていた。
朋子
行かないのー?……はぁ、あんた退学にはならんように適度に学校に行きなさいよ?
じゃあ、母さん仕事行ってくるからね。
と、母から苦言を呈される。
母もだ。私のことをよく気遣ってくれている。毎日ドア越しに会話をしてくれるだけで、存在を忘れられてないことに安心した。
仗助
ん?なんだまたあいつ(あなた)行かないのかー?
ったく、
おーいあなた、おめぇ入学式くらい学校にいけよ。お袋はああいってるがな、のちのち苦労するのはおめぇだぜ?何をそんなに悩んでるか知らんが、どーせお前のことだからしょーもないことで悩んでんだろ。バカバカしいぜ。じゃあ、バカ妹は置いて俺はちゃっちゃっと入学式に行ってくるとしますか!
兄からなんとも容赦無いお言葉を頂戴し、玄関から何やら音がすると、ドアを開け、靴音がし、やがてガチャンとドアを閉める音がしたのを最後に家に静寂が訪れるのをベッドの上から聞いた。
あなた
その通りすぎて、言い返せない……
私は気分転換に外でも行こうと日焼け止めを塗って、パーカーを羽織り、軽く髪を整えて外に出た。入学式には行かない。行く気にはなれない。
あなた
(私、このままでいいのかな)
どうしようもない感情が頭を巡り、何も考えられなくなる。
あなた
(いっそ死んだほうが……)
なんて馬鹿なことを考えているとふと聞き覚えのある、というより先程聞いた声が耳を掠める。
仗助
って、遺産の3分の1を俺と俺の妹にぃ?
???
ああ、そうだ。
あの特徴的な髪型、あれは兄貴だ。何やら大柄な男と話し込んでいるようだ。でも一体誰だろう?知り合いにあんな人いないし、、
仗助
っておい、あなたじゃあねぇか。お前何してんだぁ?
???
ん?あの子はお前の知り合いか。
すると見知らぬ男は帽子の奥に潜めているエメラルドグリーンの瞳をこちらに向けた瞬間、私の頭に衝撃が走った。

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