差し込む光が徐々に弱まり
あの鼻を突くような匂いが強まっても
何があるか予測がついても
分からなくても、進み続ける
もしかしたらこれは夢だったのかも知れないから
ヒビが入った心を
根拠もない期待という名の絵の具で塗り固めて、前に進む
それが、どれだけ無駄だったとしても
確率を…希望を捨てる気にはなれなかったから
所々にある大きな力が加わった跡
歪んでしまった地面と空間
目の前にある広い空間には赤い絵の具が上まで飛び散り
どれだけ探しても、誰かが生きてるような形跡は見つからず
誰かが残したものさえも見当たらなかった
まるで俺一人
この世界に取り残された様に…誰も
それと同時に喉元が焼ける様に熱くなり
咄嗟に抑え込もうとするが、抑えきれず溢れてしまい
重力に逆らえずに落ちていく
あぁ…
こんな一つの事すら我慢出来ないんだ
tmちゃん達は…アイツらはもっと背負っていたのに
叫ぼうとしても喉がかすれて叫べない
憎い、それだけが心にあった
奪うだけ奪って消えた魔物に
あんな依頼を頼んだ依頼人に
アイツらが死んでも、いつも通りの世界に
そして——
依頼の手紙を見つけ、仲間も家族も守れなかった俺自身に
なんで、俺なの?
俺の事恨んでたんじゃないの?
俺はまだちゃんと言えてないのに……
流れ落ちては、滲む視界
その中でも、思い浮かぶのは——
浮かんでは消えていく仲間たちの笑顔だった
反響する水の音
外の雨は強まるばかり
残ったのは、傷つけられたリボンと姉の言葉だけだった












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。