第53話

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2026/02/24 21:30 更新
天喰
ミリオ…やめた方がいい
天喰
形式的にこういう具合でとても有意義ですと語るだけで充分だ

間違いない、いちばん合理的である。


とはいえミリオさん?はやる気満々。


準備体操まで済ませている。
切島
よっしゃ先輩、そいじゃあご指導ぉー
1A
よろしくお願いしまーっす!!

私は走り出すことなくひょいひょいと距離だけ取る。



緑谷くんのパンチがすり抜けたのを確認し、瞬発的に一番の安全策を考察する。
ミリオ
まずは遠距離持ちだよね!!
切島
ワープした!!
相澤
おまえらいい機会だ、しっかりもんでもらえ
相澤
その人…通形ミリオは俺の知る限り最もNo.1に近い男だぞ、プロも含めてな
あなた
No.1

クソ野郎よりも、No.1に近い人……
相澤
…おまえら行かないのか?轟は特に興味無いわけじゃないだろ
焦凍
俺は仮免取ってないんで
あなた
私は勝てないと思ったら逃げろと教わりました
相澤
……あのなぁ、

沈んだり、浮いたり、自分の体を自由自在に操る。


これはそんな簡単に習得できるものじゃない。経験値の差というのがありすぎる。
そんなのを相手にするなんて、たまったもんじゃない。
相澤
おい通形、この女もいいぞ
ミリオ
ム?

全員を滅多打ちにしたミリオさんに相澤先生がそう告げ口する。


うっわ、
ミリオ
君たしか、編入生…
波動
あれれ?いつの間にそんなとこに逃げてたの??

3年生からの視線に私は手のひらに水を発生させる。


個性はすり抜け……地面も物理もすり抜ける。

どうしたって対処法は思いつかない。
私の中での対処法は逃げるだった。


それもさせてくれないなら…
あなた
降参で
ミリオ
…え?
波動
わぁあ
天喰
……イレイザーヘッドに楯突いた、怖いっ…!

仕方ないだろう。


一方的に殴られるのなんてごめんだ。
相澤
…まあいい、

はぁっと面倒くさそうにため息をつく相澤先生。


するとミリオさんが私に近づいてきた。
ミリオ
そんな君には、
あなた
え?

ミリオさんの拳が届く寸前で一気に距離をとる。
ミリオ
あれ、早いな…

突然の殴り掛かりに驚いていると、先輩はオールマイトに似た笑みでニカッと笑った。
ミリオ
君だけ殴らないのは違うと思ってね!!
でも当たらなかったんだ…くっそぉ!
あなた
えぇ、
波動
わぁ!君すごい!!ふっしぎぃ!!!どうして殴られるってわかったの!?
あなた
え、あ、殺気があったので
波動
殺気ってそんな敏感に感じるものなの?それとも君の体質??
あなた
それは、昔からの慣れで
波動
慣れ?どんな生活を送ったら殺気に慣れるの??ねえ、ねえってば!!


私は振りかぶりそうになる手を必死で抑え、口角を無理やり上げる。
あなた
私はミリオさんのお話の方が、大事だと思いますよ
天喰
あぁ、波動さん、今はミリオの時間だ

ムッとした顔をしながらもミリオさんに話を振る波動さん。
ミリオ
さ、君たちがワープというあの移動は推察された通りその応用さ!
ミリオ
ちなみに君はわかったのかな?

その視線はまさかの私に向かっている。


ちょっと、本当にやめて欲しい。
あなた
知りませ
相澤
夏油

私の言葉を遮るように相澤先生が私を制す。

こいつ……
あなた
先輩の戦い方を見て、個性をすり抜けだと考察しました
あなた
それはつまり、地面も物理攻撃もすり抜けることを意味します
あなた
地面をすり抜けることによる擬似的な瞬間移動、それに対応する時私は個性による物理攻撃を仕掛けることしかできません
あなた
つまり、勝てません
ミリオ
うん、じゃあ僕の個性が透過だと知ってどう思った?
あなた
知りま
相澤
夏油

いや、これに関しては本当に知らねぇって!!!


なんて言えるはずもなく適当に今思いついたことを言ってみる。
あなた
透過の弱点を見つめ直し、弱点を弱点とさせない技術が磨かれていると思います
ミリオ
うん、さすが編入生だね!

あぁ、あってるんだ……
ミリオ
この個性で上を行くには遅れだけはとっちゃダメだった!!予測!周囲よりも早く!時に欺く!!
ミリオ
そしてその予測を可能にするのは経験!経験則から予測を立てる!
ミリオ
A組、いや…ここの前にB組にも同じことをしたから雄英1年の中でそれを実行して見せたのが編入生だ!!

全員の視線がこちらに向く。



この人の言ってることは間違ってない。
だって私は呪術師と一緒に戦場にいたのだから、予測というものは大切だと習ってきたのだから。

ただ、
この人たちからしたら何処で?となる。



非常に気まづくなってしまうのだ。
ミリオ
でも今できないからって心配しなくていい、その経験を培うのがこれ…インターンだと僕は思ってる
ミリオ
ので!恐くてもやるべきだと思うよ1年生!!

これ、どうしよう。


私に向けられたクラスメイトの視線は案外怖くなかった。

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