間違いない、いちばん合理的である。
とはいえミリオさん?はやる気満々。
準備体操まで済ませている。
私は走り出すことなくひょいひょいと距離だけ取る。
緑谷くんのパンチがすり抜けたのを確認し、瞬発的に一番の安全策を考察する。
クソ野郎よりも、No.1に近い人……
沈んだり、浮いたり、自分の体を自由自在に操る。
これはそんな簡単に習得できるものじゃない。経験値の差というのがありすぎる。
そんなのを相手にするなんて、たまったもんじゃない。
全員を滅多打ちにしたミリオさんに相澤先生がそう告げ口する。
うっわ、
3年生からの視線に私は手のひらに水を発生させる。
個性はすり抜け……地面も物理もすり抜ける。
どうしたって対処法は思いつかない。
私の中での対処法は逃げるだった。
それもさせてくれないなら…
仕方ないだろう。
一方的に殴られるのなんてごめんだ。
はぁっと面倒くさそうにため息をつく相澤先生。
するとミリオさんが私に近づいてきた。
ミリオさんの拳が届く寸前で一気に距離をとる。
突然の殴り掛かりに驚いていると、先輩はオールマイトに似た笑みでニカッと笑った。
私は振りかぶりそうになる手を必死で抑え、口角を無理やり上げる。
ムッとした顔をしながらもミリオさんに話を振る波動さん。
その視線はまさかの私に向かっている。
ちょっと、本当にやめて欲しい。
私の言葉を遮るように相澤先生が私を制す。
こいつ……
いや、これに関しては本当に知らねぇって!!!
なんて言えるはずもなく適当に今思いついたことを言ってみる。
あぁ、あってるんだ……
全員の視線がこちらに向く。
この人の言ってることは間違ってない。
だって私は呪術師と一緒に戦場にいたのだから、予測というものは大切だと習ってきたのだから。
ただ、
この人たちからしたら何処で?となる。
非常に気まづくなってしまうのだ。
これ、どうしよう。
私に向けられたクラスメイトの視線は案外怖くなかった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。