悠佑side
全てが終わった後、俺は
床で大の字になって寝ていた
動けないくらい、疲れていたのだ
りうらのドン引きな表情を見て、やっぱり俺は疲れてるんか、と改めて認識した
いやでも疲れたわ
久々に大掛かりな魔法使ったし
報告に来てくれた初兎にまでドン引きされた
今回の件に関しては1番の功労者俺やろ
『────き、あ────!!あにきっ!』
ないこから連絡きた
もちろん脳内で、だけど
『ばっちり!!後片付けも済んだよ〜!』
『了解っ!!』
りうらの真上に光が集まってきた
どごっ!!
間に合わんかった
りうらの上に華麗に着地したのはないこ
怒り心頭なりうらの上からさらに、
計3名の重みにより、りうらは潰れた
申し訳なさそうな顔をしたヨセフさんが俺たちの前に立って、そう切り出した
ないこが脱線した話を戻そうとするけど、それは逆効果
こうして赤組の乱闘が始まった
ちなみに今んとこりうらが優勢
やっと話戻った………
そう言ってヨセフさんが見せてくれたのは、アマリリスの絵画だった
まろから事前に聞いていた、メシアさんが東方地方の図書館に寄贈した絵画である
気づけば、赤組は乱闘をやめてこちらに戻ってきていた
りうらのケロッとした感じを見る限り、りうらが勝ったんやろうなぁ
むっすー、と明らかに機嫌が悪くなるほとけ
こういうとこは年下っぽいんよなぁ
ないこが周りを見るのに合わせて、みんなも頷いた
それに引き継いで俺は言う
俯いて震えるりうら
そうだよな、願ったことで不幸になってしまうのは誰だって辛くて苦しい
ここにいる全員がよく分かってることだから
扉からか細い声が聞こえたかと思うと、そこにはメシアさんがいた
メシアさんは震えていた
怒られるかもしれない、酷いことを言われるかもしれない
きっとそう思っているに違いない
けれど、この事件のきっかけは、メシアさんの友達の願い事だったんだから
ヨセフさんはメシアさんを思いっきり抱きしめた
けれどメシアさんはどこか戸惑っているようで
「それなら、」
と、ないこは優しく微笑んだ
彼らは静かに泣いて、笑いあった
そうして俺たちは静かに屋敷を後にしたのだった
ないこside
あにきがほとけっちに絵画を放り投げた
相変わらず扱いを雑にされるほとけっち、ちょっと可哀想………
ちょっとだけ………((
まろが唐突にそう言い出した
手に持っている絵画を見ながらそう言うほとけっち
「だって!!!」
メシアside
ぽつりと私は呟いた。
お父様は王宮に報告に行っているから、私は家に一人でいた。
私の友達、ジャンヌ。
あの子のためにたくさん頑張ってきた。
正しいと信じて疑わなかった。
けれど、沢山の人を不幸にしてしまった。
私が暴走したせいできっとあの子を傷つけてしまった。
暴走なんてしなければ、今まで通り幸せに過ごせたかもしれない。
突然、ジャンヌの声がした気がした。
もちろん、前を向いても何も見えない。
でも、確かにジャンヌが居ると感じる。
分かるんだ。
暖かな光が私の身を包んだ気がした。
ぱちんっ、と泡が弾けるような音がしたと思ったら。
見えた。
自分の家が。
自分の体が。
ジャンヌが、見えた!
優しくハグされて、暖かくそう声をかけられて。
ジャンヌは消えてしまった。
後にメシアが【親友】という絵画を描き、国中から絶賛されるのはそう遠くない未来の話。
のちのインタビューで、彼女はそう語ったという。
『Magic on the canvas』 𝑒𝑛𝑑
解説、後書きは後ほど出しまーす


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。