広津side
首領の宣言の後
処理をしようと部下が動き出した時
「…さて
一先ず終わったから……
エリスちゃんと
約束のケーキを食べに行こう!」
首領が突如
エリス嬢に向ける笑顔で声をあげた
首領とエリス嬢が
キャッキャと話している
様子を見た部下達は
先程までの緊張感が
一瞬にして失われ
呆気に取られていた
「あなたちゃんと中也君も一緒に来ないかい?
美味しいケーキ屋なんだよー」
『…えっと…これから片付けが』
「では、ここの指揮は私が引き受けましょう」
『でも、皆さんに任せっきりは悪いです…』
「大丈夫っすよ
楽しんできてください!」
「おう、じゃあ後は頼んだぜ」
『えっ…でも…』
「おら、行くぞー」
中也君が彼女を宥めながら
首領達の元に連れて行かれた
遠くで「あなたちゃんに似合う服が…」と
首領の声が聞こえたが…
それはまぁ流しておこう
「諸君、後処理に掛かるぞ」
毒気が抜けた部下達に声を掛け
動き出す様子を見ながら
タバコに火をつけた
…仕事後の一服はやはり格別だな
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。