それから花那と地の試練を終えて
天達が出てくるのを待っていた。
その数分後に
分厚いケープを着た天と、唯希が現れた。
何気ない会話をする。
2人はどうだか分からないけど、
この時の私は何も感じていない。
そう、楽しいっていうのも、
面白いっていうのもなんも感じていない。
楽しめない。喜べない。
せめて天が相棒としてじゃなくても
普通のフレンドとして話してくれれば
私は楽しめるのかな。
楽しめないのは天のせいって言いたい訳じゃない。
ただ、天に話して欲しいんだ。
昔みたいに私に話しかけて欲しい。
唯希はいきなりそう言って
天の腕を引っ張り走っていった。
私達はその背中を眺めていた。
モヤモヤする。
別に天と関係持ってないし、
恋愛感情もないし、良いんだけど.....
でもなんか嫌だ。
私は天と話せないし、自分勝手なのは分かるけど
嫌なものは嫌なのだ。
それを口には出せないけど。
花那はそう言って1人で盛り上がっていた。
私も
とは言っておいた。
けどあまり良くは思っていない。
唯希じゃなくて私だったら良かったなと
思ってしまう私がいる。
天の腕を引っ張って、2人きりになって、
周りからはやし立てられる。
実際は恥ずかしさとかでいっぱいなんだろうけど
それすら羨ましい。
恥ずかしいと感じれることすら、羨ましい。
私は手を固く握り締めた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。