玄関にかかった時計を見て慌てて巾着を取りに行くエマ。
残された私と三ツ谷は自然とお互いに視線を運ばせパチリと合う。
ルナマナちゃん。
家にお邪魔した日、私寝ちゃって結局お泊まりになったんだよね。
三ツ谷も起こしてくれれば良かったのに、ぐっすり眠ってるからそっとしといたなんて言われたし。
さっきから三ツ谷の視線を感じる。
なにかついてる?
虫とかなら早急に取っていただきたいんですけど。
初めて着た和風の服。
やっぱり似合わなかったかな?
淡い色も明るすぎて不安だったし...
不安が募り始めた私に三ツ谷は即答。
その言葉はあまりにも迷いがなくて
安心して頬が緩んだ。
普段服を作ってる三ツ谷に言われると絶対大丈夫って信じれるんだよね。
ほっとしてるとドタバタっと足音がして、エマがもどってきた。
下駄にスっと足を通してクルッと私の方を振り返るエマ。
にししっと悪い顔だけ残してエマは家を出ていった。
三ツ谷は私の子守り...??
私そんな問題児じゃないよ。
マイキーと場地は別だけど。
玄関の戸を閉め、外を歩くとカランコロンとかわいい音がする。
普段履かない下駄、初めての浴衣。
そして初めてのお祭り……












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。