執事
「 で、ですから……。
テヒョン様がお熱のようで…
顔を真っ赤にして、帰って来られたようです 」
執事
「 そ、それが…
テヒョン様がジョングク様じゃないと嫌だと… 」
執事
「 はっ… 寝室におられます…。 」
テヒョンが熱を出すなんて…。
テヒョンを買って2年が経った。
いろいろあり、現在は学校に通わせている。
学校の生活は楽しいようで、友達も沢山できたそう。
…… そんなこと、今はどうでもいいか…。
俺は医療セットを持ち、テヒョンが寝ている寝室へ急いで向かった。
部屋に入ると、ベッドの上でペタン座り(女の子座り)をしていた。
はぁはぁと苦しそうに息を繰り返し、顔を真っ赤にさせている。
…… ドクンッ…
心臓が大きくなる。
扉の前で静止する俺に向かって、手を伸ばす。
だが俺は、動くことが出来ない。
バクバクなる心臓は、収まることなく激しく打ち続ける。
獣医だから分かる…
テヒョンのこの症状……… 発情期だ…。
テヒョンが手にしている布は布団では無い。紛れもない、俺の愛用のTシャツ…
そもそも、テヒョンはオスだ。
オスの場合、発情期というものは無いが…
テヒョンは例外。
母親がホワイトタイガーで、父親が人間。
原因は不明だが、
ホワイトタイガーとのハーフの身体はメスに似ると研究結果が出ている。
ベッドに腰をかけ、テヒョンを抱きしめた途端、テヒョンは俺を押し倒し、上に股がってきた。
よく見ると、テヒョンが着ているTシャツも俺のやつだった。
パンツは履いておらず、Tシャツ1枚のテヒョン
発情期を抑えるには… 手段は2つ。
ヤりまくって出し切るか、薬で抑えるか……
痣にならない位の力で首元を叩き、意識を飛ばせる
1週間続く発情期をどう乗り越えようか、俺は少し考えてみる。
テヒョンにとって初めての発情期は、ただただ辛いはずだ
……… とりあえず抑えられるところまで薬で抑え、あとはもう… 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。