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第10話

第九章 ー お出迎え ー
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2026/01/09 01:46 更新
城門から飛び出してきた人物は、
そ想像してい“兵士”でも“騎士”でもなかった。
派手な色のマント。
大袈裟な身振り。
そして——
やたら声がでかい。
??
「 司〜!
  また勝手に城を抜け出して〜!! 」
「 なっ!?今回は正当な理由があってだな—— 」
( またってことはこれ以外にもあったんだ... )
こはね
「 え、えっと...この方は.....? 」
えむ
「 あははっ♪
  この人はね、ワンダー王国の式典長さんだよ! 」
一歌
「 しき...てんちょう? 」
式典長は、私たちを一通り見回した後、
ふぅっと大きく息をついた。
式典長
「 ...まぁいいでしょう。
  司たちが誰かを連れて帰ってくるのは、久しぶりですね。 」
「 おお!話が分かるではないか! 」
「 いや“久しぶり”って、前にもやったの...? 」
えむ
「 司くん、よく抜け出してたもんね〜 」
「 えむ!?それは余計だ!? 」
式典長は、少しだけ表情を和らげて言った。
式典長
「 ここ、ワンダー王国は
  “笑顔”と“舞台”を大切にする国です 」
一歌
「 舞台...? 」
式典長
「 えぇ、歌でも芝居でも、なんでもいい。
  人の心を笑顔にする表現こそが、この国の誇り。 」
( ...なるほど、だから鳳さんがこの王国の姫なんだ。)
式典長
「 ですが最近、外の国は騒がしい。
  逃げてきたあなたたちも...理由があるのでしょう? 」
一瞬で空気が変わった。
こはねの方が、少しだけ強張る。
私は無意識にこはねの前に立っていた。
「 ...事情はある。
  今は少し追われる身なだけで..... 」
一歌
「 危害を加えるつもりはないはずです。 」
えむ
「 この子たち、すっごく優しいんだよ! 」
「 オレが保証しよう!
  この3人は、ワンダー王国に害はなさぬ! 」
天馬先輩の声は、珍しく真剣な気がした。
式典長はしばらく黙っていたが、
やがて、小さく笑った。
式典長
「 ...分かりました 」
「 へ? 」
式典長
「 ワンダー王国は、“困っている旅人”を歓迎します 」
こはね
「 ...! 」
式典長
「 正式な滞在は後で決めるとして...
  まずは休みなさい。あなた達は、よく歌いました 」
えむ
「 やったぁ〜!! 」
「 見たか!これが未来のスターの人望だ!! 」
「 いや今のは天馬先輩じゃなくて私たちの説得力だから! 」
城の中は、外よりもずっと、暖かかった。
カラフルだが、不思議と落ち着く空間。
まるで“楽しいで包まれる”みたいな感覚。
こはね
「 ...ここ、怖くない、 」
( よかった...少なくとも、今日はゆっくり出来そう )
一歌
「 ...白石さん 」
「 ん? 」
一歌
「 ここに来られて、よかったね 」
私は少し考えてから、頷いた。
「 ...うん。
  でもここはゴールじゃない。 」
えむ
「 ほえ? 」
「 こはねのこと、まだ救えてないから 」
「 ...! 」
えむ
「 そっか。じゃあ―― 」
鳳さんは、いつもの笑顔で言った。
えむ
「 立ち直れなくなったらさ、
  またおいでよ! 」
私はその言葉を、胸の奥にしまった。
ここから先、
この国が味方になってくれるのか、
それとも――
To Be Continued ...

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