第16話

あと…
686
2020/09/08 08:01
あなた

ん〜…

あなた…あなた!
あなた

誰?

白猫
白猫
あなたっ
あなた

あ!猫さん

白猫
白猫
あなた…
何だか悲しそうな猫さん…

はっとして自分の手を見る
あなた

良かった…人間の手だ…

白猫
白猫
あなた…その事なんだけど…
あなた

え?

白猫
白猫
あと、

















カーテンの隙間から朝日が顔を出す…


やけに眩しくて目が覚める






変な夢…
あなた

あと…

テオくん
テオくん
ん…あなた?
隣で寝ていたテオくんが私の名前を呼ぶ


彼に私は、好かれなきゃいけない…








あと…何日残ってるんだっけ…
テオくん
テオくん
おはよ
あなた

おはよ、ごめんね?起こした?

テオくん
テオくん
いや、そんなことないけど…
じっと見つめられる

こんな整った顔を私はずっと見みていられない



テオくん
テオくん
なんかあった?
あなた

え?

テオくん
テオくん
悲しい顔してる
そういうと、私の頬に手を添える



テオくん
テオくん
怖い夢でもみたか?
あなた

う、ううん!大丈夫だよ!

テオくん
テオくん
そっか…無理すんなよ?
あなた

うん…


部屋から出て行ったテオくんを追いかけて洗面所に向かう



顔を洗って…
あなた

あれ?

ここのタオル…私いつの間に届くようになってたんだろ…



高い所に手が届く…目の前の鏡にはもう猫耳のついた女の子はいない…




あなた

戻ってる…

じんくん
じんくん
あーあなたおはよ〜
あなた

あっじんたんおはよ〜

じんくん
じんくん
今日花火大会だね〜
あなた

そ、そうだね!楽しみ!

テオくん
テオくん
じんたーん、タオルとってー
テオくんの腕がお風呂のドアの隙間から伸びてきた
じんくん
じんくん
はいよ〜
わたしがいるから、気を使ってるんだよね…


いつもなら思いっきりお風呂のドア開けるのに…






それくらい私は、みんなから見ても人間の女の人になってる


このまま人間に戻れるのかな…
じんくん
じんくん
あなた?なんかあった?
あなた

え??

じんくん
じんくん
なんかぼーっとしてるから
あなた

そんなことないよ!w

それだけ言って、洗面所を後にした





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テオくん
テオくん
朝からずっとあんな感じなんだよね…
じんくん
じんくん
やっぱりいつもと違うよね
テオくん
テオくん
急にいなくなりそうで怖い
じんくん
じんくん
え?
テオくん
テオくん
急に現れて、急に消えちゃいそう
テオくん
テオくん
あなたがいなくなったら…俺…

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