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第6話

:6(♡友)
7
2024/06/28 08:21
今日は入学式。
俺、田中 友は今日高校デビューをする。
ザワザワ…
教室が活気で溢れている。
もう何個かグループができているみたいだ。
どうしよう…
俺だけ置いてかれている…
とりあえず誰かに話しかけてみようかな…
教室中を見渡すとある女の子が目に入った。
えっ…綺麗すぎる…
黒くて長い髪の毛はつやつやしてて、姿勢はものすごく整っている。
後ろから見ているから顔は見えないけど、本当に漫画に出てくるような綺麗な人だった。
しばらく観察していると、その女の子が小柄な女の子に声をかけられている。
しばらくたつと、席を間違えたのか顔を赤らめて座り直す姿が見えた。
俺の席もあの辺だから、席近いのか…
仲良くなりたい。咄嗟にそう思った。
「今度の球技大会の説明をしますよ。」
球技大会。
俺は球技は得意な方だ。
元々サッカー部だったし、体育の成績も悪くはなかった。
種目やチーム分けが説明されてグループごとに話し合いをすることになった。
俺のチームは戸田君、花田さん、それと…
俺が一目惚れした女の子だ。
「ごめん、あんまり名前覚えられてないから名前教えてくれる?」
名字は名簿を見て大体分かっていたが、下の名前が分からない。
それに、あの女の子の名前も知りたかったし。
「もちろん!私花田 萌!」
「戸田 空。」
「日高 叶。」
叶…めっちゃ綺麗な名前じゃん…
「OK、ありがと」
「とりあえず外野は空いける?」
まずは話し合いを進めよう。
そして、球技大会。
俺はサッカーとチーム全員参加のドッジボールに出ることになっている。
「お~!友もサッカー?」
「おう!サッカー得意だからな!」
俺と出るのは萌。
小柄だから心配だったけど球技は得意らしい。
「サッカーに出場する生徒の皆さんは準備に入ってください。」
「友~!私達ゼッケン何色だっけ?」
萌が元気よく話しかけてくる。
「俺らは緑!あ、俺萌のも持ってくるよ。」
「えっ、いいの?助かるありがとう。」
叶は用具係をしている。
ゼッケンを取りに行けば叶に会えるかなと思った。
「ゼッケンこっちで配ってまーす!」
叶は……
あっ…テントの中に一人で用具をまとめている叶を見つけた。
「か…叶!用具係お疲れさん。」
話しかけようか迷ったが、話しかけずにはいられなかった。
「あっ、友…ありがとう。」
「友サッカーだよね?ゼッケンならあっちの先輩が配ってるよ。」
叶が先輩の方を指さす。
そんなの知ってる。叶と話すためにこっちまで来たのだから。
「あ、うん。また後でな!」
「試合開始!」
ピーーーーー!
いよいよ、サッカーの試合が始まった。
先輩達早いなぁ…これ萌大丈夫か…
開始から2分くらいがたったとき。
「うわっっっっっっ!!!?」
ドン!!!!💥
俺の後ろの方から大きな叫び声と誰かが床に倒れ込む音が聞こえた。
「ピー!!ピー!!」
それと同時に笛が鳴る。
「おーい!保健委員!」
恐る恐る後ろを振り返ると、先生達に囲まれているのは……
「萌だった」
「大丈夫か!?起き上がれるか!?」
その声と同時に萌がゆっくりと起き上がる。
苦しそうな萌の表情。
保健委員の先輩達の肩を借りながら萌は退場した。
萌がゆっくりと歩き出すと同時に試合が再開された。
サッカーの試合が終わり、空の元へ戻る。
「よ!空!あれ…叶は?次ドッジだよな?」
「そうなんだけど…」
「実は、萌が怪我したって聞いた途端、叶走って行っちゃったんだよね。」
え……?なんで叶が…?
友達ならそりゃ心配するか…
「でさ、その表情が凄く心配そうで。叶今までにないくらい凄い速さで多分、萌のいる保健室に行ったんだと思う。」
保健室に…?
じゃあ、叶はドッジの試合より萌を選んだって事…?
「コートの中に入って~!」
「っ…叶間に合わなかったんだな…」
「多分今は萌のところにいたいんだろ」
空の一言がグサッと刺さる。
楽しみにしてたんだけどな。
ここまで読んでくださりありがとうございます💕今回は友くん目線でお送りしました。昨日公開予定でしたが…20:00に間に合わず…
んで、次回も友くん目線でお送りする予定です🤍前回までのお話で友くんのこの気持ちに気づけた方います…?あんまりお話に出てこなかったので気づけた方凄いです👏次回もお楽しみに!

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