夜風が少し涼しい。
みんながそれぞれ寮へ帰っていくなか、あなたの下の名前はふらふらと歩く保科副隊長の腕を慌てて支えていた。
保科副隊長は普段の冷静さをすっかりなくし、少し赤い顔で笑っている。
その笑顔に、胸が妙にざわつく。
言いながら、保科副隊長は急に立ち止まって夜空を見上げた。
あなたの下の名前も一緒に立ち止まる。
ふいに真剣な声音に変わり息を呑む。
保科副隊長は満足そうに頷くと、ふっと笑った。
そう言って、また笑いながらふらつく。
あなたの下の名前はため息をつきながらも、保科副隊長の腕をしっかり支えた。
その距離が近すぎて、胸の鼓動が落ち着かない。
夜の廊下には、ふたりの足音だけが響いていた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。