騒がしい場内とインカムから聞こえる吐き気を催すような叫び声ときんときの嘲笑うような喋り声
きんときが侵入者を調教し始めて、かれこれ一時間弱
侵入者は喉が潰れたにも関わらず、掠れた叫び声を出している
〝白尾国拷問執行官のきんとき”
その名を聞くだけで拷問されたものは震え上がり、息をすることもままならなくなるんだとか
引くて数多、色んな国からの引き抜き、推薦状、などが後を絶たない
どんな大国でも、きんときは喉から手が出るほど欲しいらしい
まあ、きんとき曰く白尾国をでる気はないそうなので
ちょっと、いや、結構嬉しかったのは言うまでもない
まあきんときぐらいになると、この白尾国にきてまでして欲しいって人がいるくらいになる
なーんて、外では言われてるけどさ
あいつは、人が思ってるほど強くない
ただ、自分がそうしなきゃいけなかっただけなんだ
俺達の手を、
汚したくなかった一心で
あいつは自分を隠してる
見せようとしてくれない
多分、憶測だけど
そうしないと、
〝壊れてしまう”から
あんな根の優しい奴が拷問官なんかできるわけない
だから、あいつがまだ拷問官に〝なりきって”ないときは、「お客さん」というワードを使い
〝拷問官のきんとき”にさせるためのトリガーにする
できることなら、そりゃ変わってあげたいさ
無理に自分を殺して〝冷酷無慈悲”になりきってるんだ
普段、自分のことを見せてくれない奴が、。
このままだと、きんときはきんときを失くすことになる
でも、
無理なんだよッ....
代わってやりたいのにッ、...
俺はッ....
俺は昔から、刃物を持つのが苦手だった
というより、人を傷つけるのが大の苦手で最初は血や、曲がった腕、痣ですら見るのが無理だった
初めて剣、まあ、短剣だったけど、握った時震えが止まらなくて
呼吸が荒れた
理由は大体わかってる
一回、敵陣の全身大怪我した兵隊が城に入ってきたことがある
腹にはナイフ、肩や背中には計5本も矢が刺さっていた
小さい子に、その姿はトラウマモノだった
よく晴れてた日だった
周りはキラキラしてたはずなのに、心の中ではどこがざわざわしてた
こんときからきんときは人のことよく見てたよな
すーぐ人の顔ばっか窺ってた
そう言って目の前にナイフの鞘の方を持ち、ナイフを持たせようとしてくる教師さん
迷惑かけたくないのと、二人に心配かけたくなかったからナイフを抜いて持った
でも、
逆効果だった
鞘から抜いた剣は、
太陽の光が反射して眩しかった
これが、
人の肉を裂き、血を出させ、
死にいたらす
昔話に浸ってる場合じゃない、
あのモードになれば、きんときはまず話が通じなくなる
俺に、
俺なんかに、何ができるんだろうか

新作⤵︎
next♡×100













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!