your side
放課後友達とは帰る方向が違うし、バイトをしているわけでもない私は、特に予定がない時は学校の図書館に籠ることが多い。今日も勉強したり、本を読んだり、新しい本に巡り会ったり、完全下校の時間が迫っていた。
図書室から出る時に、若干雨音が聞こえたような気がしたけど気の所為だと思いたくて、無視することにした。
私の願いは届かず、外はかなりの雨が降っていた。地面には降ってくる雨が飛び跳ね、傘も無い私はどうすることも出来ない。
ちょっと待ったら止まないかな?と思い、携帯で確認してみると、どうやらこの雨は夜まで振り続けるらしい。
そう声をかけてくれたのは、スラッと背が高くてスタイルのいいわんちゃんみたいな人。傘が無くて......というのも恥ずかしかったが、正直に言わなければ私はずぶ濡れになる!そう思って答えた
彼の隣には彼と同じくらい大きくて、少し怖いような印象を受ける男性が立っていた
すごい勢いで私の前に現れて、すごい勢いでいなくなっていった。雨音に混じって微かに聞こえる2人の会話は「お前もうちょっとそっちいけよ!」「しょーがねえじゃんお前がでかいの!」と、言い合ってるように聞こえた。2人で並んで1つの傘をさして、2人とも大きいから肩が傘から出てしまっていて、びしょびしょに濡れていた。申し訳ないことをしたな〜と思いつつ、彼から借りた自分の身体には合わないサイズの傘をさして学校をあとにした。
あー、名前聞くの忘れちゃったなㅎㅎ チラッと1度彼の胸元の名札を見たけど正直 김 という苗字しか記憶に残っていない。相手の男の子は 박 さんだった。キムさんもパクさんもこの学校には山ほどいるだろうし、学年も分からない。これでは傘が返せない。全部の教室を回るしかないだろうか
次の日は朝から快晴だった。それに、全部の教室を回らなきゃいけないかも、何ていう私の絶望は学校に足を踏み入れる前に消え去った。
無事に傘も返せたことだし、彼はスタイルもいいしかっこいい、この先関わることはないだろうと思い、校舎に入ろうとした。けど、止められた
同じ学年にいないことは分かっていたため、勝手に3年生だと思い込んでいて、1年生と言われて本当にびっくりした。こんなにスタイルが良くて、大人っぽい高校一年生がいていいものなのか......
生憎私は「ヌナ」なんて親戚以外から言われることなんてなくて、案の定あたふたしてしまう。そんな姿を見かねてか、ギュビンくんが「あなたさんが嫌ならいいです、」と少し寂しそうにいった。その時のギュビンくんには絶対に犬の耳が垂れ下がっていたと思う。
ギュビンくんは明るくて、朝から元気をもらった。教室まで送ってきます!と言われたが、ギュビンくんの周りに女の子が集まりそうで、私にまで注目が集まりそうで怖かったので、傷つけないようにそっと断らせてもらった。
その日のお昼休み、不自然に2年生の教室の前を行ったり来たりしていて、私のクラスの前で止まっては私とパチッと目が合う。かまってほしい子犬みたいで可愛かったから声をかけてみた
「何でですか?何でヌナ怖いんですか?」とポカーンとした顔で聞いてきたが、女子の視線が怖い、なんて言える訳もなくそのまま私のお気に入りの場所、図書館へ連れてきた
図書館だから静かめにね、と言ったのに相変わらず大きい声でハキハキと喋る。人も少ないし、1年生だし可愛いからいっかと開き直ることにした。
この子は可愛いもスラッと言えてしまうのか。それから色んな質問をされて、私も少しだけ質問して、ギュビンくんのことを知れたような気がする、気がするだけ。深くまで聞いたら、どうにもならないような気がして、上辺のことだけ聞いて全部分かってるような素振りをするしかなかった
Next...
すいませんもう少し!続きます(;;)












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。