ザワザワ……
ステージから降りてきた蘇枋に対して獅子頭連がざわつく。
初戦から2つとも圧勝、しかも2人とも1年となればレベル高いとは思うよな。
㊙︎ノートを手に興奮した楡井が蘇枋に詰め寄るが
本人もよく分からないらしい。
へぇ…"アレ"はカンフーとか合気道とか単体じゃないんだ。
まぁ見たことないしな真希さんに聞いてみようかな
椅子に深く座った桜は不満そうに言う。
続けて『オレとやる時は本気でやれ』と言う言葉に対して蘇枋は顔を顰める。
右側に座ってる十亀が次を催促する。
その言葉に桜が腰を上げるが、獅子頭連側から指名があった。
その人は柊さんを無言で指差した。
この様子じゃ忘れてるな、と思いながらスマホを意味もなく開く。
気づけば30分経っていたことに驚く。
ていうか蘇枋の喧嘩が長かったのか退屈だったし
LINEを開くと2年の先輩方からの3件の連絡が目につく。
『笑ってるけど、何か面白いものでもあった?』と言われて遅れて自分が今笑ってることに気づく。
柊さんと佐狐という人がステージへ上がり、お互いに睨み合う。
いや、語弊があるか。
佐狐の方が一方的に柊さんを睨んでいた。
知り合いだが仲が悪かったのか、柊さんが話しかけるも口を開く様子もない。
痺れを切らした兎耳山が喧嘩の開始を急かす。
開始早々激しい喧嘩にこの場にいる全員がのめり込む。
喧嘩中の話を聞く限り、佐狐は柊さんに喧嘩を教えてもらって『この人についていく』と決心した。
だが柊さんは風鈴に行って てっぺん を取るために入るのではなく、梅宮さんをトップに据えるための助力をするために入るのだと聞かされた。
そこから佐狐は柊さんに失望し、その鬱憤を晴らすために喧嘩をしていた所を兎耳山と十亀に見つかったそう。
蹴飛ばされた柊さんに佐狐は冷たい視線を向けるが、桜はそんな柊さんに不満をそのまま叫んだ。
桜が途中で言葉を詰まらす。
蘇枋と楡井が冷や汗を流す。
桜は立っていたが、足に力が入らなくなったようにドスンと椅子に再び座った。
視線を寄越さず、そのまま柊さんを見つめた。
あの人は、あのまま終わるわけがない。
関わりが少ない私でさえ、そう思った。
_______________『この人は勝つ』と。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!