第5話

鬼ごっこ
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2025/08/28 14:14 更新
小平太や文次郎、仙蔵の声が後ろから響く。
心臓が飛び跳ねるのを感じながら、角を曲がって必死に走る。
あなた
(忍術学園広すぎる.....!!)
僕は柱の陰に身を潜め、そっと息を整えた。
あなた
……ふぅ、危なかった……撒けた、よな?
静まり返った廊下。聞こえるのは自分の荒い呼吸と鼓動だけ。
胸に巻いたサラシを押さえながら、僕は小さく笑う。
あなた
(やっぱり、ドクタケでの訓練は無駄じゃなかったな……!みんな相手に、まさか撒けるなんて)
しかし安心したのも束の間____________
立花仙蔵
…で、どこに逃げようとしてるんだ?
背後から落ち着いた声。肩がビクッと震える。
振り返れば、柱の影に仙蔵が腕を組んで立っていた。
その表情は、怒っているというよりも……面白がっているようにすら見える。
あなた
仙蔵っ……?! なんで……撒いたはずじゃ……
立花仙蔵
“撒いた”と思っている時点で、まだ未熟だな
あなた
えっ……?
立花仙蔵
本当に逃げ切れる者は、気配さえ残さない。こうして私に見つかっている時点で……お前の負けだ
ほんの一瞬、足が止まりかけた。けれど___僕は唇を噛んで即座に懐に手を伸ばす。
あなた
…まだだっ!!!
ぱんっ――!!
白煙が一気に広がり、視界を覆い尽くす。
忍具袋から取り出した煙玉を地面に叩きつけ、僕は迷わず反対方向へと走り出した。
立花仙蔵
…!!
音と煙に釣られて、別の廊下にいた他のみんなも駆けつけてくる。
潮江文次郎
仙蔵!!!大丈夫か?!
立花仙蔵
あぁ。私は大丈夫だ..
七松小平太
煙玉を使ったのか....
善法寺伊作
こんなに動き回ったら傷がひらいちゃうよ....
食満留三郎
どうしてあなたの下の名前はそこまでして、みんなで風呂に入りたくないんだ?
中在家長次
もそ...(ドクタケではみんなで入らなかったのかもしれない...)
食満留三郎
そうなのかもしれないが、ここまでして逃げ回る必要は無いだろ...
煙が晴れかけたところで、仙蔵が腕を組んだまま、ふっと笑った。
立花仙蔵
……これはもう、鬼ごっこ真剣勝負だな。
潮江文次郎
鬼ごっこ?!
七松小平太
みんなで遊ぶのは久しぶりだな!!!
食満留三郎
俺が最初に捕まえてやる!!!
善法寺伊作
も~みんな怪我しないでよー?
仙蔵は目を細めて煙の向こうをじっと見据える。
立花仙蔵
(逃げ切れると思うなよ…)
煙玉で仙蔵の視線を切った瞬間、僕は息を切らしながら校庭を駆け抜けた。
あなた
(よし……これで少しは距離がとれたかな…?)
息を整えつつ、校庭を見渡すと、遠くに大きな木が目に入った。
あなた
(あ……あそこで少し身を隠して、少し休もうかな……)
木の陰に向かってそっと駆け出す。
まだ心臓はドキドキしていて、足音が風に揺れる葉の音にかき消される。
そっと木の幹に手をかけ、慎重に登り始める。
足場を確かめながら一歩一歩、呼吸を整えて進む。
心臓はまだドキドキしているけれど、少しワクワクする気持ちも混ざる。
木の上で一息ついた僕は、ふと暑さを感じる
あなた
(あついな……)
軽く手で忍服の首元や袖を直し、少しだけ緩めると、谷間に汗が溜まっていることに気づく。
あなた
(暑いと毎回こうなんだよな..)
汗を拭こうと、少しサラシを緩めたその瞬間........
立花仙蔵
おい……そこで何してるんだ?
下から低く落ち着いた声が聞こえ、僕はびくっと肩を震わせる。
あなた
(や、やばい……っ!!)
慌てて手でサラシを押さえ、元に戻そうとするが、まだ完全には整っていない。
そのとき、強い風が吹き、枝が大きく揺れる。
体勢を崩し、僕は「うわっ!!」と小さく叫びながらバランスを失う。
次の瞬間、仙蔵の腕がすっと伸び、僕をしっかりと抱き上げた。
立花仙蔵
大丈夫か...?!
仙蔵の落ち着いた声に、僕は小さく頷く。
あなた
だ、大丈夫....だ..
お姫様抱っこで受け止められて、胸の高鳴りと焦りで顔が真っ赤になる... ふと視線を下に落とすと..
あなた
(サ、 サラシが……緩んでるっ!?)

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