☆学パロです
いつも通り、ふたりだけの帰り道。
今日は駅前で何かイベントが開かれているようで、キッチンカーがいくつも並んでいた。
「ねえあれ美味しそう!」
🐯「クレープなんて食ったらお前また太るでㅎ」
「うるさい!そんなこと言うなら芳典も道連れにするから!」
🐯「おい、芳典やなくてよしくんやろ」
余計なことを言う幼馴染の腕を引き、半ば強引にクレープ屋の列に並んだ。
再び小言を言い合っているといつの間にか順番が来て、それぞれ食べたい味を注文した。
▲「では、サービスのトッピングをおひとつずつお選びください」
「え、いいんですか?」
▲「はい。カップルのお客様だけにお付けしております」
店員のお姉さんはにこやかな表情でそう告げた。
カップル?!
私とよしくんが?!
ないないない、よしくんは本当にただの幼馴染だもん。
たまたま家が近いからいつも一緒にいるだけで、別に付き合ってるとか、好きとか……そんなんじゃないし。
「いや、私たちカップルじゃ、」
🐯「俺いちごでお願いします」
はあ?!
だからカップルじゃないって!
なに考えてるの?!
思わずよしくんの方を見ると、はやく決めろとでも言いたげにこちらを見ていた。
▲「彼女さんはどうされますか?」
「えっと…じゃあ、私もいちごで……」
▲「かしこまりました。出来上がるまで少々お待ちください」
よしくんは店員に軽く会釈をして、そのまま近くのベンチに座った。
私もそれに続いて隣に腰掛ける。
「よしくん」
🐯「ん?」
「私たちカップルじゃないじゃん…」
🐯「知っとる」
「じゃあなんで、」
🐯「別にええやんか。ちょっと得したやんㅎ」
彼は悪びれる様子もなくへらっと笑ってみせた。
その甘い顔の前では怒る気力もすっかりなくなってしまい、ため息をついて空を見上げた。
しばらくすると店員が呼ぶ声が聞こえ、私たちは出来上がったクレープを受け取って再び歩き出した。
よしくんは早速かぶりついて、幸せそうな表情を浮かべていた。
私も一口食べると、いちごの甘酸っぱさが口の中に広がった。
🐯「うまいなぁ」
「うん、美味しい」
🐯「な?カップルのフリしてよかったやろ?」
「全然よくない!」
そう言ってクレープを頬張りながら早足で歩き始める。
もうよしくんなんて知らない。
私の気持ち、全然分かってない。
🐯「ちょっと待ってや!」
後ろから腕を掴まれて振り返ると、彼は私の目をじっと見つめていた。
🐯「あなた、そんな嫌やった?ごめんな」
「…よしくんは、嫌じゃないの」
🐯「当たり前やん」
彼は私の腕を掴む力を緩めて、ポケットに手を入れた。
🐯「あ、でも、あなたに否定されかけたんは嫌やったなぁ」
なんと返せばいいのか分からずにいると、彼は呆れたような顔をして息を吐いた。
🐯「あぁもう……ほんま鈍いなぁ。ここまで言うても分からんの?」
よしくんは小さく咳払いをして、真剣な眼差しを私に向けた。
🐯「あなたのこと、好きなんやけど」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。