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第3話

🐯 いちごのクレープ
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2026/03/13 11:28 更新
☆学パロです



















いつも通り、ふたりだけの帰り道。

今日は駅前で何かイベントが開かれているようで、キッチンカーがいくつも並んでいた。



「ねえあれ美味しそう!」

🐯「クレープなんて食ったらお前また太るでㅎ」

「うるさい!そんなこと言うなら芳典も道連れにするから!」

🐯「おい、芳典やなくてよしくんやろ」



余計なことを言う幼馴染の腕を引き、半ば強引にクレープ屋の列に並んだ。

再び小言を言い合っているといつの間にか順番が来て、それぞれ食べたい味を注文した。



▲「では、サービスのトッピングをおひとつずつお選びください」

「え、いいんですか?」

▲「はい。カップルのお客様だけにお付けしております」



店員のお姉さんはにこやかな表情でそう告げた。

カップル?!

私とよしくんが?!

ないないない、よしくんは本当にただの幼馴染だもん。

たまたま家が近いからいつも一緒にいるだけで、別に付き合ってるとか、好きとか……そんなんじゃないし。



「いや、私たちカップルじゃ、」

🐯「俺いちごでお願いします」



はあ?!

だからカップルじゃないって!

なに考えてるの?!

思わずよしくんの方を見ると、はやく決めろとでも言いたげにこちらを見ていた。



▲「彼女さんはどうされますか?」

「えっと…じゃあ、私もいちごで……」

▲「かしこまりました。出来上がるまで少々お待ちください」



よしくんは店員に軽く会釈をして、そのまま近くのベンチに座った。

私もそれに続いて隣に腰掛ける。



「よしくん」

🐯「ん?」

「私たちカップルじゃないじゃん…」

🐯「知っとる」

「じゃあなんで、」

🐯「別にええやんか。ちょっと得したやんㅎ」



彼は悪びれる様子もなくへらっと笑ってみせた。

その甘い顔の前では怒る気力もすっかりなくなってしまい、ため息をついて空を見上げた。

しばらくすると店員が呼ぶ声が聞こえ、私たちは出来上がったクレープを受け取って再び歩き出した。

よしくんは早速かぶりついて、幸せそうな表情を浮かべていた。

私も一口食べると、いちごの甘酸っぱさが口の中に広がった。



🐯「うまいなぁ」

「うん、美味しい」

🐯「な?カップルのフリしてよかったやろ?」

「全然よくない!」



そう言ってクレープを頬張りながら早足で歩き始める。

もうよしくんなんて知らない。

私の気持ち、全然分かってない。



🐯「ちょっと待ってや!」



後ろから腕を掴まれて振り返ると、彼は私の目をじっと見つめていた。



🐯「あなた、そんな嫌やった?ごめんな」

「…よしくんは、嫌じゃないの」

🐯「当たり前やん」



彼は私の腕を掴む力を緩めて、ポケットに手を入れた。



🐯「あ、でも、あなたに否定されかけたんは嫌やったなぁ」



なんと返せばいいのか分からずにいると、彼は呆れたような顔をして息を吐いた。



🐯「あぁもう……ほんま鈍いなぁ。ここまで言うても分からんの?」



よしくんは小さく咳払いをして、真剣な眼差しを私に向けた。



🐯「あなたのこと、好きなんやけど」

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