消えかかった光を眺めながら、
「これは救いだ」と信じていた。
この光を消しているのは、
きっと悪魔のようなおぞましい者だと思っていた。
それを考えられた頃は。
今ではどうしようもなく
暗がりを眺めるだけの人生だ。
陽だまりには到底近付けずに、再び暗がりに隠れる。
暗がりの方が居心地が良かったりする。
たまに、陽だまりに行きたくなる。
でも、行けない。
行ったら火傷してしまうから。
浮ついた気分を沈めながら、眠りにつく。
夢の中の世界は壮大で、思いのままの自由な世界だ。
無理に陽だまりに行く必要もない。
じめじめとした暗がりに隠れていたい、という願望が叶ったかのような場所に、ずっと居たい。
バイクに乗った猫を眺めながら、そう考える。
そういえば、夢だと自覚してしまったら駄目だという事をどこかで聞いたことがある気がする。
でも、自覚してしまったものは仕方がない。
だから、また自由な世界に隠れる。
夢はおぞましいものなんかではなかった。
自由は、とても気分を良くしてくれる。
自分の光は消えても良いから、
その暗がりに浸っていたい。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。