第66話

ラムネノアブク③[あなた]
706
2020/04/19 02:00 更新
私はダメな人間だ。

としみつにはりょうくんが好きってそぶりを見せてた。

わざと。

そうすればずっと友達でいれると思ってた。


りょうくんには堪え切れなくなった時に話を聞いてもらってた。

私が一方的に話すだけ。


今思えば2人とも私のワガママに付き合わせてるような気がした。

本当は緑が良かった、本当は2人で会いたかった。


今日もとしみつの恋バナをするためにりょうくんと話した。


「好きな人居るよ、しかも両思いのね。」


そう、りょうくんに言われて目の前が真っ暗になった。

としみつはきっと私がりょうくんのこと好きだと思ってるから好きなわけない。

ぽろぽろと流れる涙を抑える自信がなくてお店を勝手に出てしまった。


歩いているうちに、川辺についた。

懐かしいな。女の子家にあげるのもあれだからって言って2人で花火しながらここで話したんだよな。

としみつは覚えてるかな。

覚えてないよね。

声だけ、聞きたいな。

ずるいかな、好きな子いるって知ってるのに。


いつも、3コール以内に出る。

そこも好きだ。


声を聴いた瞬間我にかえった。

あー、好きな子いるのに。好きな子いても、こんなに早く電話出てくれるんだ。みんなにそうなんだ。

慌てて、電話を切った。嫌いにならないでねとだけ言って。


ここ、来てくれたりとかしないかな。

分からないか。夏の話だもんな。


そう思っているのに期待してしまってもう30分もここにいる。

でもここは唯一2人だけの思い出の場所だったから。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



としみつ「…バカやん。」

振り返ると、こんな時期に汗だくになったとしみつがいた。

嬉しくて変に笑ってしまう。

期待してた、なんて伝えてしまう。


少しの沈黙の後、私が声をかけようとすると、としみつの電話がなった。

胸がズキズキした。好きな子だろうか。


としみつ「あ、なに、りょう。」


途端に慌て出す声、いつもより少しだけ高い。何の話かな。電話がなかなか終わらない。また涙が出そうだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



としみつ「で、誰に失恋したの?」

ニヤニヤして聞いてくる。

あなた「…りょうくん何か言ってたの?」

としみつ「俺の好きな人誰だろうね。」

あなた「…いないの?」

としみつ「気になる?」

あなた「…別に。」

としみつ「りょうがね、お前ら鈍感すぎ。だって。」

あなた「?」

としみつ「俺の好きな人さ、りょうの話ばっかで俺の話してくんないの。でもそれって照れ隠しらしいよ。」

あなた「え?」

としみつ「お前さ、本当バカだよな。あー、悩んで損した。本当ウザい。」

あなた「どういうこと?」

としみつ「俺が好きなのあなただよ。結構前から。」



隣に座り直したとしみつがそう言って笑った。

スマホの明かりで照らされた顔は少しだけ赤くて、いつもより、可愛かった。

プリ小説オーディオドラマ