第3話

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2024/06/15 12:51
🐟
今度こそ…扶けてあげるからね…
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何云ってんだ手前…
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中也…この世界、楽しいかい?
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……世界ってのはよく解んねえけど、楽しいぜ
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そう。
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ならもっと楽しもうじゃないか
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は?
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出掛けに行こう!
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ショッピングモールに来て如何すんだよ
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最近疲れててさあ遊びたかったんだよね!
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疲れて遊ぶってなんだ…?普通寝てんじゃねえのか
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まあまあ。
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中也。花屋寄って良い?
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良いぜ
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一寸待っててね







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すごい待たせてしまったね…
……中也がいない
私は時計を見た。
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此の時間は――













うぁえ…
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泣くなよ…こんなことで泣いてたら今後生きていけねえぜ?
矢張り此処か
てか子供にそんなこと云っちゃって大丈夫なの?ねえ
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降りてきた…
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何回目だぁ?
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何が?
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いや。何でもねえ
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ねぇ君。子供を扶けるような優しい心あったっけ
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手前ボコされてえのかクソ野郎
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いやいや
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手前こそ、最初は良いやつだと思っていたがなかなかの屑じゃねえか
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云ってくれるね。でも君と違って色んな人に手を出すような人じゃないのだよ
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俺が満足するならブスでもデブでも誰でも選ぶようなこの世のゴミと云いてえのか
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ああそうさ
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……殺す
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うふふ
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ふん…俺は優しいからな手前に良いモン見せてやるよ
来た。この丘。
特異点が発動する前にあの子供の異能のことを伝えなければ
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中也
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あ"?
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もし君と私が危険な目に遭ったら、「俺と太宰が何時までも幸せに生きられますように」って強く願うんだよ
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なんでだよ
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理由なんかないさ。良いから約束だよ?
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……
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はい指切りげんまん
私は中也に小指を突き出した
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ん…
中也も私に小指を出す
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指切りげんまん
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嘘就いたら針千本
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飲ます
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指きった
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指きった
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本当に、願うんだよ
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嗚呼やんなかったら本気で針千本飲んでやる
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それも約束しようか?
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…其れだけ重要なのか
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うん
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俺と手前が幸せに…か…そんな未来本当にあるのか
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……どういうことだい
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太宰…下がってろよ




ぶわあああああああ






此処だ。暗い場所
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手前は何で来るんだ
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手前の前で平気な顔をしていても…本当は不安でしかねえ…
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俺を救いたいのか?無理だ。今まで来た奴は誰一人二度と俺の前には現れなかった
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血を流して逝ってしまったからな
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それにしちゃあ手前は凄いぜ?2回も生き残るなんてな































































🐌
手前は…………特別なのかもな
ぱち
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ふふふ特別だなんて照れるね中也
攻撃は直ぐ来るだろう
予想どうり中也は手を挙げ重力の玉を連発して私に投げ込んだ
私は横へ駆ける
🐟
そんなんじゃ私には勝てないよ
ずだだだだだだだだだ
丘に咲いていた花が重力子に呑み込まれる
攻撃が止まった
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…?
中也の方を向くと血を吐き血を流していた
🐟
此の儘だと中也身体が持たないね…
書類に書いてあった
彼の特異点は己の生命が尽きるまで発生し続けると
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ゲホッ…あははははははは
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何呑気に笑っちゃってんのさ…
此方は真剣なのに、本当にそういうところもムカつくね君は
また攻撃だ…
ずだだだだだだだだだだ
私は危機を感じないように下を向いて走っていた

























その行動は間違っていた
ふと気づいた中也の好きなビオラの花が咲いていると
私は咄嗟に戻りビオラの花を摘んだ
此れだけは傷つけてはいけない
此れだけは
慌てて摘むも重力からは逃げられない
私の顔の前には重力子が接近していた駄目だ。中也…
私は涙を流しながら云った
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約束しただろう…?
ポウ…
🐟
…?何だこれは
私の身体は謎の玉に包まれていた
中也を見た
中也も私と同様謎の玉に包まれている
🐟
どういうことだ…
気がつくと私は自分の部屋に居た
どうなったんだと思い、着替えて素早く探偵社に向かった
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中也…中也は…
???
おい太宰!
🐟
……?
私は誰だと思い、声がする方を振り返った
🐟
君は……

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