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第6話

五日目 。
161
2025/11/17 14:24 更新

訓練帰り 、家に帰って料理するほどの
気力が湧かなかったので
今日は外食で済ませることにした 。

二人で寄った食堂は 、
古びた木の扉を押すと
油の匂いと出汁の香りが混ざった
温かい空気に包まれた 。

こじんまりとしているが 、
店内に漂う香りは
ほのかに食欲をそそられる 。

昼間は鉄やコンクリートの
無機質な匂いしかしなかったから 、
こうして人の生活の匂いを嗅ぐのは久しぶりだ 。

…… それどころか 、
最近は血の匂いしかしない現場ばかりだったな 。
gt
好きなの頼んでいいぞ 、
この前の討伐初成功祝い … してなかったしな

慎重に向かいの席に腰を下ろすあなた 。

訓練のときの鋭い目つきが嘘みたいに 、
きょろきょろと覚束無い目線で店内を見渡す。

どこか落ち着かないようで 、
それでも少しだけ期待している顔 。

あなた
 …… ホントに 、なんでも ? 
gt
ああ 。この程度の金額 、
俺にとっては痛くも痒くもねぇよ

そう言った瞬間 、
ぱっと花が咲いたみたいに
表情が明るくなった 。

その笑顔が意外過ぎて
一瞬言葉を失う 。

へえ … そんな顔 、できるんだな 。

料理が運ばれてくると
あなたは目を輝かせながら箸を取った 。

一口食べた途端 、ふわっと頬が緩む 。
あなた
 … おいし 

ぽつりと零れたその声は
戦闘の時 、訓練の時よりも
ずっと小さくて … やけに素直だった 。

ぐちつぼはその姿を
ぼんやりと眺めながら 、
無意識のまま顎に手を当てる 。

あれだけ戦いの場では強気で 、
煽られれば反発してくるようなやつが
たったひとすくいの飯で
こんなに無防備な姿を見せるとは思わなかった 。
gt
 … お前 、案外普通の人間っぽいところもあるんだな 

何気なく口にした言葉に 、
あなたはスプーンを止めて
ムッとした顔で睨んできた 。
あなた
それ 、どういう意味 ? 
gt
いや別に 、怒り以外の
感情死んでんのかと思ってたからなぁ

つい苦笑いして視線を逸らしてしまった 。
俺の言葉にまた怒りを露わにする
あなたを横目に そっと考えにふける 。

胸のあたりに 、よく分からないもやが残った 。

自分から言ったが
人間っぽいって … なんだ ?

そもそも" 普通の人間 "がどんなものだったか 、
もう俺自身もよく分からない 。

ただ あの笑みを見た瞬間 、
彼女を" 相棒同業者 "としてじゃなく
ただの" 知り合い個人 "として
見てしまった気がした 。









アンケートへのご協力 、ありがとうございました 。

武器は🏹で進ませて頂きます 。

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