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第5話

FOUR
364
2021/05/08 15:15
【病室】
「翔くん…!」
自分の声で目が覚める。

目の前に広がっているのは、どこかの病室のようだった。


なんで病室なんかに…?
重さを感じて左を見やると、ベッドに突っ伏して寝ているお兄ちゃんの姿があった。
そうだ。私…倒れちゃったんだっけ。

お兄ちゃん、ずっと私の事見ていてくれたんだ。

「ううっ…」
思い出してまた、激しい頭痛に襲われる。

ふと、視界の隅で金色の何かが動いた。

「…のぞみ…?目…覚めた?」
「うん。ごめんね。心配かけちゃって。」
「ほんとだよ。急に倒れちゃって、俺、慌てて病院運んじゃった。」
「まだ痛い?」と心配する兄に適当に返し、さっきの夢の内容を思い出していた。



あの子…誰だったんだろう。

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