第14話

🌆#14
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2025/07/01 14:58 更新
カリカリカリ、と静かな教室に響くシャーペンの音。



手を動かすのをやめて顔を上げたら、…私の好きな人がそこにいるわけですが。



廉
止まってんぞ、次や次
(なまえ)
あなた
はいすみません


ガチガチに授業されるとか聞いてないんですけど。



え、何だったの?「お前とおるの好きやから」って言われてドキドキしてたあの時間何だったの?



ちょっと駆け落ちっぽくて期待した私の時間を返せ、今すぐに…!



(なまえ)
あなた
…あのさ
廉
ん、なに
(なまえ)
あなた
何でこうなってるんでしたっけ…?
廉
リオにお前が勉強やばいって聞いたから


…犯人リオか!!


気を遣って永瀬と二人にしてくれたのか、


もしくはただ私の成績がやばいことを配慮して永瀬先生をつけてくれたのかは分かんない。


まぁリオのことはとりあえず置いといて。



(なまえ)
あなた
ちょっと休憩しない?
廉
あー
廉
一時間経ったし、そうやな



やった!!スパルタ永瀬先生から解放される!



シャーペンを雑に放り投げて、私は椅子から立ち上がった。



(なまえ)
あなた
てか何なのそのメガネ
廉
え、カッコええやろ?
(なまえ)
あなた
伊達だろどうせ
廉
ピンポーン、おしゃれやこれが
(なまえ)
あなた
あ、見てサッカー部やってるよ
廉
いやシカトすんな



オレンジ色の日差しが差して、教室に青春を感じた。



…二人きり…なんだよな、よく考えたら。いやよく考えなくてもそうだけど。



グラウンドを窓から眺める永瀬の黒髪を、風がなびかせていて。



この端正な顔立ちと夕日のコラボ、私なんかがこの位置で拝んで良いのだろうか。




廉
…何見てんの
(なまえ)
あなた
いやー、お綺麗な顔立ちだなって
廉
ふは、やろ?
廉
お前俺の顔好きなん
(なまえ)
あなた
大好きですけど
廉
は、


さらっと本音が出てしまって、緩みかけていた口元が引き締まった。



いくら顔だけとは言え大好きとか言っちゃったよ、何やってんの!


咄嗟に顔を手で覆いながら席に着いた。


もう何事もなかったことにして勉強しようかな…いや、集中できるわけない…


立ち尽くす永瀬を一瞬だけ盗み見して、すぐに視線を教科書に戻した。


だってなんか、…永瀬の顔赤かったから。




廉
…なぁ
(なまえ)
あなた
っ、はい
廉
16時
(なまえ)
あなた
…ん?
廉
16時、毎週金曜この教室



16時、毎週金曜、この教室。



じゅうろくじ、まいしゅうきんよう、このきょうしつ。



永瀬が発した言葉を何回も脳内で繰り返す。



そんなわけあるか、と言い返している自分もどこかにいるけど、これは…もしかして…



廉
これ、約束やで
廉
破ったら昼メシ奢りやから



自然と上がる永瀬の口角。



なぜか、スローモーションに見えた。



(なまえ)
あなた
…いいの?
廉
お前も俺とおるの好きなんやろ



あぁ、そんなこといつか言ったっけ…


あ、そっか、だから永瀬もさっきそれ言ったんだ、って頭の中で点と点が線になる。



…変な意味はないって、自分に言い聞かせなきゃ。



廉
お前専属の先生やから、俺
 


専属、って言葉にドキっとしながら。



また永瀬と会える理由が一つだけ、できた日だった。

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