第13話

🌆#13
603
2024/01/15 07:59 更新
とはいえ、引退ということは受験が本格的に近くなってきたということ。



正直永瀬のこと考えるより勉強だ勉強。



よく聞け私、私は永瀬みたいに成績優秀ではないんだからな。覚えとけ。




しっかり勉強する気を引き出して校舎から出て、…少し後ずさりしてしまった。


廉
あ、おった


何故かというと壁にもたれかかってる永瀬がいたからで…


(なまえ)
あなた
え!?あ、やっほー…?
(なまえ)
あなた
誰か待ってんの?
廉
まあ、待ってた
廉
今の今まで
(なまえ)
あなた
あ、そうなんだ
(なまえ)
あなた
じゃあまた…
廉
え、待てって


逃げるように去ろうとした私の肩を、永瀬の手が掴んだ。



これ以上近づかれると勉強になんか身が入らなくなるわ…!



というか、やっぱりこの前のこと怒ってる…?



(なまえ)
あなた
な…何でしょう
廉
お前のこと待ってた
(なまえ)
あなた
…えっ私?
廉
おん
廉
だから、一緒に帰ろ


…今の聞いた?「一緒に帰ろ」だってよ、



そんなん断ろうにも断れないじゃん。



(なまえ)
あなた
う"…わかった


私は避けるのを諦めて、永瀬と一緒に歩き出した。



不意に永瀬の怪我のことを思い出して、歩幅を合わせる。


(なまえ)
あなた
怪我、大丈夫なの?
廉
引退したしな、すぐ治るわこんなん
(なまえ)
あなた
なら良いけど
(なまえ)
あなた
にしてもあの時の永瀬すごかったよね、いつもと熱量倍くらい違ったし
廉
誰のためやと思ってんねん
(なまえ)
あなた
ん?
廉
いやなんもない
廉
あ、おい


突然永瀬の腕が回ってきたと思えば、0.5秒くらいの速さで身体がくっついた。



急な温もりにパニックになった私の横を、自転車がすごいスピードで通り過ぎて行ったのはその後すぐのことで。


廉
あっぶね
(なまえ)
あなた
あ、ありがと…
廉
ごめん、俺がそっち側におったら良かった
(なまえ)
あなた
いやダメだって、永瀬怪我してるじゃん笑
廉
……
廉
この後どっか行くん?
(なまえ)
あなた
今日は予備校ないし帰るけど
廉
よし、じゃあ戻るで
(なまえ)
あなた
え?


校門を出て駅まで歩いていたはずなのに、永瀬に手を掴まれて逆戻り。



走れはしないけど、早歩きで進んでいく。



(なまえ)
あなた
学校戻るの!?
廉
おん
(なまえ)
あなた
なんで?
廉
お前とおるの好きやから


いや…意味わかんない。



けど、その一言で言葉が出なくなって、私の足は永瀬についていくだけ。



手首の温もりにドキドキして、繋がっているそこばかりを見てしまった。

プリ小説オーディオドラマ