こんな俺に思わぬ仕事が入った。
とあるドラマの主演が決まり、
そのストーリーは
乗り物に密接したものだった。
車の免許を持ってても
大して乗らない
それどころか、
人の命を預かることなんてない。
車の免許なんて、身分証としてしか
もう使われない。
そんな俺に、ひとつの役作りをお願いされた。
『ミッション車の操作ができること』
オートマ車限定の俺が
役作りのために
一発試験で合格なんて出来るわけなくて
限定解除のために
マネージャーにすすめられた教習所へ通うことに。
それは、メンバーには内緒にするつもりだった。
……それなのに…
その一言でみんなが振り向いた。
そのうち、
青ざめた顔したのは、
ふっか、照、佐久間だった。
そう、
俺が通うことになる教習所は……
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この美人な先生がいる教習所だった。
綺麗な指先は決して派手でも華やかでもない
日焼け止めだけを塗ったかのような透明感
吸い込まれるかのような凛とした瞳、
全てが美しかった。
衝撃的だった。
『透き通ってる』という言葉が
何よりも似合う女性だった
思わず指を見た。
薬指には、
指輪がない。
この先生と付き合う人は
どんな人だろうか……って
だけどチラリと見えた
胸ポケットに紫色のペン数本。
褒められながら進む教習……。
あれ、俺ってアイドルだけど……
なんとも思わないのかな……?
まあ、何か言われても面倒だし…
このまま黙っておくか。
気持ちの余裕が生まれたその時……、
『『『『『『『ガコッッ!!』』』』』』』
エンストしてしまった。
1コマ50分の教習で、
たった1度だけ俺の名を呼んでくれた。
俺の名を呼んでくれたその声に
その瞳に
俺はものすごく安心した。
……この人が、
ふっかの彼女なんだ…。
なんか…妬けるな……。ウザ。
、














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。