私は今朝、創兄ちゃんに聞いた事が頭の中でグルグル回っている。
蜜柑ちゃんが、私は寝不足なんだと言っていたらしい。
自分でもよくわかってないけど。
ふと、洗濯物を取り出す狛枝くんを眺める。
ふわふわ綿あめみたいな髪の毛が美味しそうで、男の人にしては細い…でも身長がちゃんと男の人だ。
色素の薄い目に、荒れてない極めて綺麗な肌、女子なら誰でも憧れるだろう。
そんな人を私は好きになったんだ。
でも、私は…。
狛枝side>>
出会ってから一度も変わらない、ボクが左側で、あなたさんが右側を歩く。
2人で並んで歩く道は、どんな道でも輝いて見える。
ボクはあなたさんの事が堪らなく好きだ。
これからもそれが変わることはない。
だからこそ、離れなくちゃいけない。
ボクが死に損なわない限り、絶対そうなんだ。
そう考えているうちに、ボク達は旧館に戻っていた。
旧館に入ると、あなたさんは目を輝かせていた。
あなたさんはそう言って下を向いてしまった。
確かにそれもそうか。
あなたさんは優しいから、だから申し訳なく思ってるんだ。
あなたさんは怒っていた。
そんな姿も可愛いよ、なんて言ったら怒るだろうな。
でも、ボクからしてみればあなたさん達のパシリになる事は決して傷つくような、負担になるものじゃない。
ボクはそれでいいと思ってる。
あなたさんは黙り込んでしまった。
ボク達はそのまま旧館の飾り付けに移った。
さっきまでの雰囲気とは違う、暗くて重い雰囲気。
ボクがパシリになるのは、ボク自身が望んでやっている事。
だから、ボクが傷つく事にはならないし、むしろみんなも得する。
最後まで話さずに終わった旧館の飾り付け。
ボクはあなたさんに嫌われてしまっただろうか…。
ボクなんかが嫌われるのは当然の話だよね。
だって、相手は超高校級の才能を持つ凄い人達の1人で、みんなからも好かれて心の温かい人。
ボクが好きになっていい人なんかじゃなかった…。
ある意味、これはこれでいい区切りになったかもしれない。
そうして、旧館の掃除を終えたボク達は、一度解散する事になった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。