仕事が終わり、太宰さんと帰ろうと誘おうとした。
けど、そこに太宰さんの姿はなかった。
太宰さんが私より先に仕事を終わらせたことなんて、一度もなかった。
私達の出会いは運命だった、と私は思う
ずっと私は生きる意味が分からなかった。
息をし、食事をし、恋をし、死ぬ。
ただ、それだけなら生きていても死んでいても変わらないと思った。
でも、この考えを誰も理解してくれなかった。
自殺未遂をしては、命の尊さについて説かれ、死ぬ理由について説いては否定された。
死にたいのに、死なない。
私はそんな世界に退屈していた。
ある日の入水中、私は川の中で一人の男性と出会う。
それが、
「太宰 治」だ。
私の意見を太宰さんは全て理解し、共感してくれた。
私達は一緒に話していくうちに、"心中相手"として付き合おうという話になった。
嬉しかった。
幸せだった。
好きな人と心中できて、話せて、逢引ができて…
これ以上の幸せはないと思った。
…でも、この幸せは長くは続かなかった。
新人社員が来た翌日、私は失恋することになる。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。