あなたside
生理前だからか、今日一日体がだるかった。
家に着いてすぐ、限界に達した私はソファーに倒れ込んだ。
冷たくしたくないのに、そうなってしまう私に嫌気がさす。
正直動きたくなかったけど、これ以上フェンと話したら、冷たいどころか酷いことを言ってしまいそうだった。
重い体を起こしてお風呂に向かった。
お風呂で体を温めたら、少し楽になった。
あとでフェンに謝らないと。
だるさが和らいだとはいえ、ゼロになったわけではないので、ご飯を食べ終わったらまたソファーに体を預けてしまった。
キッチンではフェンが後片付けをしている。
本当に申し訳ないなという気持ちでいっぱいになった。
色々としんどくて目を閉じていると、片付けが終わったのかフェンが隣に座った。
こんなにいい人がいるのか。
ハーブティーを持ってきてくれたと言うことは、彼も私がそう言う時期だと分かっているのだろう。
泣きそうになっている私を、彼は笑いながら優しく抱きしめてくれた。
彼の温もりと優しさでもっと涙が溢れてくる。
肩に顔を埋めると、彼は私を抱きしめる力を少し強めた。
Fin.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!