白城での暮らしは、パールにとって初めての「穏やかさ」だった。敷島は城の創設者であり、訳ありで送られて来る白者や捨てられた白者、行き場のない白者たちを保護する男だった。彼は仲間達と共に朝早くから城の周囲を見回り、食事を用意し、壊れた門や壁を修理し、夜には皆と酒を酌み交わす。そんな世話焼きの敷島に、パールは最初、戸惑いを隠せなかった。
「あの…俺、ここに居ても無意味なんすけど……何で助けてくれたのですか? 呪いとか持ってるんじゃないかなって言うくらいの不幸人なんすけど……」パールはそう吐き捨てた。だが、敷島は笑って肩を叩いた。「別に良い。意味の有無は無いよ。ただ、見過ごせなかっただけ……凄いボロボロだったから。後、呪いとかそういうの関係ないからね」
敷島の手料理は、見た目は粗野だが、驚くほど滋味深かった。ある日、パールはスープをすすりながら、ふと涙がこぼれた。敷島はそれを見て、ただ静かに背中をさすった。「泣いていいよ」その言葉に、パールは初めて心の鎧が少し解けるのを感じた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!