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第62話

伍拾話 【キミの言葉で ②】
82
2026/02/27 03:16 更新
???
「ねえ、あなたの下の名前ー?」
(なまえ)
あなた
んー?
もぐもぐとお弁当を食べながら返事する
???
「んふふ、最近いい出会いとかあったー?」
(なまえ)
あなた
モグモグ....めふぉほかねことか
???
「ノンノン  彼氏とか出来た✨️?」
(なまえ)
あなた
ゴクン....君、何かジジくさいよー?
???
「なにを!?言うに事欠いてジジくさい!?言っとくけど、僕はまだピチピチの700歳だから!」
???
「失礼しちゃうなもう!」
(なまえ)
あなた
お?自慢か?
(なまえ)
あなた
私より300歳も若いぞっていう自慢か?
???
「!?お、思ってた返しと違う!」
(なまえ)
あなた
どうせ私はババアですよー
???
「そんなつもりで言ったんじゃないよ!大丈夫だよ、なんならあなたの下の名前は僕より若いから!」
???
「実は、最近腰痛がひどくてさ....」
"ハハハ"と乾いた笑いが電話越しに聞こえてくる
(なまえ)
あなた
....ジジイんなったんだねぇ
???
「だからまだピチピチの700歳」
(なまえ)
あなた
ピチピチの人は"腰痛が..."とか言わない
(なまえ)
あなた
ま、お大事にー
???
「うう、労りの言葉が雑だよぉ....」
???
「僕はあなたの下の名前が大怪我したって聞いて、文字通り全身真っ青になるくらい心配したのに....」
(なまえ)
あなた
新種の妖怪かな?
???
「傷の具合はどう?」
(なまえ)
あなた
もうとっくのとうに完治してるよー
(なまえ)
あなた
平気平気!
???
「じゃあさ....晴明はるあき君とはあれからどう?ちゃんと話し合えた?仲直りは出来た?」
???
「それだけが本当に心配で」
(なまえ)
あなた
....ならもう心配しなくていいよ
???
「じゃあ仲直り出来たの!?」
(なまえ)
あなた
あはは、違う違う
(なまえ)
あなた
君が私達を心配する必要なんて最初からないんだよ、私と晴明はただの他人なんだから
???
「....あなたの下の名前」
(なまえ)
あなた
言ったでしょ?
(なまえ)
あなた
私は晴明のこと大嫌いなんだって、それに晴明だってきっともう私のこと嫌いだろうし
(なまえ)
あなた
仲直りなんて必要ないんだよ
???
....本当にそうかな
???
....があなたの下の名前を嫌いになるなんてこと絶対にあるはずないと思うけど
(なまえ)
あなた
?何か言った?
???
「...ううん!何でもなーい」
???
「僕としては仲直りしてほしいけど、あなたの下の名前がそう決めたなら、僕はそれを否定しないよ」
???
「僕はあなたの下の名前のお兄ちゃんだからね」
(なまえ)
あなた
....300も年下の兄とは何ぞや
???
「年は関係ありませーん!」
(なまえ)
あなた
いや、あるだろうよ
(なまえ)
あなた
それに、どちらかと言えば君は弟属性だよ
???
「えぇえええ〜!?」
(なまえ)
あなた
そんな驚く?
(なまえ)
あなた
ふふっ、ほんと君って昔から変わらな──

カタン...
(なまえ)
あなた
ピク....
???
「あなたの下の名前?どうかした?」
(なまえ)
あなた
ううん、もう時間だなぁって
???
「ん?ああ、確かに」
(なまえ)
あなた
じゃあ、そろそろ切るね
???
「あ、あなたの下の名前!最後にこれだけ言わせて!」
(なまえ)
あなた
?どうしたの?
???
「えっとね....あなたの下の名前は昔も、今も他の人よりちょっとだけ感情が表に出にくい、でもね!」
???
「晴明君の話をしてくれた時の君は....」
(なまえ)
あなた
うん?
???
「_____________________」
_ @_
......
???
「それだけ!じゃあまたね、あなたの下の名前!」
ピロン
(なまえ)
あなた
....ギュ
(なまえ)
あなた
それ・ ・はきっと、ただの勘違いだよ....
自分の手を握りしめそう呟くように言う
(なまえ)
あなた
....ふぅ
(なまえ)
あなた
ほら、電話は終わったから、そろそろ君もこっちにきたらどうかな?
あなたの下の名前は扉の方を見て言った
(なまえ)
あなた
倉橋君や
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
ガチャ....あはは、バレました?
(なまえ)
あなた
そりゃあバレるよー
(なまえ)
あなた
物音したし、それはそれとしてお昼休みなのにどうしたの?ちゃんとご飯は食べた?
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
食べましたよ
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
....電話中だったのに邪魔してすみません
(なまえ)
あなた
大丈夫だよ
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
えっと、盗み聞きするつもりは無かったんですけど....随分と仲良さげでしたしたね
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
先生のお友達ですか?
(なまえ)
あなた
ううん、ただの知人
(なまえ)
あなた
それで、私に何か用があるんじゃないの?
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
....用って用はなくて
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
さっき、ここに来る途中に晴明せいめい先生と会ってあなたの下の名前先生がここに居るって聞いたんです
(なまえ)
あなた
へえ、そうなんだ
あなたの下の名前は興味なさげにそう応える
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
....原因は何なんですか?
(なまえ)
あなた
ん?何の話?
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
晴明せいめい先生との喧嘩の原因です
(なまえ)
あなた
....それは君には関係ないことだよ、倉橋君
(なまえ)
あなた
気にしないで
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
それなら....
倉橋の顔から優しい笑顔が消える
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
になら話してくれますか?"あなたの下の名前さん"
(なまえ)
あなた
どうしようかなー
(なまえ)
あなた
というか、喧嘩の原因を聞いてどうするの?私達に仲直りでもさせたいの?
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
....別に、ただの興味ですよ
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
"良い人"を演じている普段の貴方からは考えられない行動だったので
(なまえ)
あなた
...あはは、確かに
(なまえ)
あなた
それで....晴明との喧嘩の原因だっけ?
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
はい
(なまえ)
あなた
ただの八つ当たりだよ
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
八つ当たり....?
(なまえ)
あなた
そっ、勝手に晴明って人間を勘違いして、勝手に羨んで....勝手に八つ当たりしただけ
(なまえ)
あなた
要するに全部、私が悪いの
あなたの下の名前は立ち上がり優太と向き合う
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
.......
(なまえ)
あなた
"わたし"が....傲慢わがままだっただけなんだよ
そう言って彼女は笑った

その空っぽのような笑顔は....いつかの"彼女"と重なった
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
....あなたの下の名前さん
(なまえ)
あなた
うん?なあに?
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
2人で話し合うなりして、早く仲直りした方が良いと思いますよ、あの人の為にも....
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
貴方の為にも・  ・  ・  ・  ・  ・....
(なまえ)
あなた
あはは、どうして?
(なまえ)
あなた
私は晴明が嫌いだし、きっと....晴明も、今回のことで私のこと嫌いになったのに
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
いいえ、あの人は貴方を嫌ってなんかない
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
貴方だって....
(なまえ)
あなた
......
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
本当はあの人のこと____
_ @_
違う
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
....あなたの下の名前さん
_ @_
私は晴明のことが嫌いなの、大嫌いなの
_ @_
そうでなきゃ...
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
貴方はどうしてそう....
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
自分を否定して....自分を傷つけ続けて、それに何の意味があるんですか
_ @_
....君には分からないよ
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
......
(なまえ)
あなた
....なんて、ごめんね!
(なまえ)
あなた
大丈夫だよ、そろそろちゃんと折り合いはつけるつもりだからさ!ね、ほら戻ろ!
そう言って笑ったあなたの下の名前は

扉の方へ向かおうと優太の横を通り過ぎようとする
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
あなたの下の名前さん
(なまえ)
あなた
話はおしまい
(なまえ)
あなた
これは私の問題で、君には関係ないからね
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
パシッ....待ってください
(なまえ)
あなた
....離して
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
貴方は....それでいいんですか
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
そうやって、これからも目を逸らして....逃げて、諦めて生きていくつもりなんですか
(なまえ)
あなた
そんなの君には関係ないよ
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
ギュ....関係あります
(なまえ)
あなた
....!
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
俺はあなたの事が、大事...なので
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
関係あります
_ @_
...大事?
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
だから話を....
_ @_
....それってさ
_ @_
大事なのは、"わたし"じゃ...ないでしょ?
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
....え?
_ @_
バッ....離して
あなたの下の名前は優太の腕を振り払い冷たく言う
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
あなたの下の名前さん?どうし──
_ @_
本当に君達のその執着・ ・は凄いね、わたしには理解も共感も出来ないそうにないけど
_ @_
1000年間ずっと変わらない
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
?何の話を....
_ @_
クス...わからない?
_ @_
今だって....君の瞳の奥には"わたし"じゃない誰か・ ・がいて、その誰か・ ・を見てるくせに
あなたの下の名前は嘲笑を零して言う
_ @_
気づいてないと....思った?
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
.......
_ @_
ギュ....大事って言葉も、引き止めようとする行動も全部...."彼女"の為のくせに
_ @_
本当に反吐が出るよ、君達には
自分の腕をギュッと掴み俯きながら言う
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
.......
(なまえ)
あなた
ハッ...ぁ
あなたの下の名前は優太の顔を見る

しかしすぐに目を逸らし、俯いて呟くように言う
(なまえ)
あなた
っ、ほんと..."わたし"ってダメだ、何も悪くない君にまで...八つ当たりして、傷つけて...
(なまえ)
あなた
ほんと...最低だな...ぁ
その声は...酷く悲しげに聞こえた
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
スッ...あなたの下の名前さん
(なまえ)
あなた
ごめ...ん
(なまえ)
あなた
君とはもう....なにも、話したくないや
そしてあなたの下の名前は優太に背を向けて歩き出す
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
....最後に一つだけ
_ @_
......
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
貴方が突然....誰とも目を合わせなくなったのは、それが関係しているんですか
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
嘘を...つくようになったのは
_ @_
っ....ギュ
あなたの下の名前は何も言わなかった

ただ、扉を閉めた重々しい音だけがその場に響いた
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
.......
優太は静かに扉を見つめ呟くように言う
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
そういう....ことですか
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
今になってようやく....貴方・ ・の言った"言葉"の意味が分かったような気がします
そして、久しく呼んでいなかった名を口にする
_倉橋 優太@くらはし ゆうた_
倉橋 優太くらはし ゆうた
"あなたの元々の名さま...."











































(なまえ)
あなた
......
あなたの下の名前は職員室に向かう途中の廊下で立ち止まり

小さくうずくまった
(なまえ)
あなた
(なに...してんだろ)
(なまえ)
あなた
(っ、優太は....何も悪くないのに....酷い言葉、いっぱい言った...傷つけ...ちゃった)
最低だ、わたし....
(なまえ)
あなた
(ほんと...嫌になる)
???
....!
(なまえ)
あなた
(きっともう、嫌われちゃった....)
(なまえ)
あなた
(もう...いや)
???
....あなたの下の名前!
(なまえ)
あなた
(こんな自分....はやく──)
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
バッ....あなたの下の名前!!大丈夫!?
目の前に晴明が映り込む
(なまえ)
あなた
っ...ぇ?
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
ど、どこか痛いの!?それとも苦しい!?
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
保健室行く!?
(なまえ)
あなた
な、なんで....
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
と、遠くからうずくまったあなたの下の名前が見えたから、何かあったのかなって....
(なまえ)
あなた
....ギュ
(なまえ)
あなた
平気、少し立ち眩みがしただけだから
すぐに立ち上がり笑顔を見せながら言う
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
で、でも....
(なまえ)
あなた
本当に、大丈夫だから
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
そっか、なら良いけど
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
でも、本当に体調が悪くなったら保健室に行くんだよ?今日はたかはし先生いるから
(なまえ)
あなた
....うん
(なまえ)
あなた
(どうして....晴明は、いつものように...前みたいに、私に接してくるんだろう)
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
じゃ、僕は行くね
そして晴明が背を向けた時
(なまえ)
あなた
!ま、待って
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
ふぇ?
咄嗟にあなたの下の名前は晴明の腕を掴む

急に腕を掴まれた晴明は驚いて素っ頓狂な声をあげた
(なまえ)
あなた
ぁ、ごめ...ん
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
ううん!どうしたの?
(なまえ)
あなた
その....手、どうしたの
あなたの下の名前は、血の出てる晴明の右手を指さして言う
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
ん?ああ、これ?
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
あはは、実はマンドラゴラ達に水やりしてる時に滑って転んでさ!擦りむいちゃった!
あっけらかんとしながら言う
(なまえ)
あなた
...相変わらずドジだね
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
てへ...まあ、放っておけばすぐに治るよ
(なまえ)
あなた
....手、貸して
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
え?
(なまえ)
あなた
お手!
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
は、はい!
シュバッと右手を差し出す晴明
(なまえ)
あなた
.....スッ
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
えっと、あなたの下の名前?
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
あのぉ....な、なにをしてらっしゃるので
(なまえ)
あなた
....出来た
(なまえ)
あなた
気休めだけど、無いよりはマシでしょ
手を見るとウサギの絆創膏が貼られていた
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
!パァッ....あなたの下の名前✨️
(なまえ)
あなた
....なに
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
ううん!ありがとう!
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
うさちゃんの絆創膏すごく可愛い!僕これから治るまでずっと付けるね!!
(なまえ)
あなた
....いや、何言ってるの
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
えへへ....
晴明は嬉しそうに右手を見る
(なまえ)
あなた
.....
(なまえ)
あなた
でも酷い怪我じゃなくて、良かった.....

_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
ね、ねえ鈴桜!
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
今日さ....あの、放課後空いてる?その、やっぱり僕ちゃんとあなたの下の名前と話がしたい.....あなたの下の名前?
(なまえ)
あなた
...フルフル
あなたの下の名前は何故か自分の口を抑えて小刻みに震えていた
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
?どうしたの....
(なまえ)
あなた
ビク...っ
晴明が様子に気づいて一歩あなたの下の名前に近づこうとすると

あなたの下の名前は一歩後退りをした
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
あなたの下の名前?
(なまえ)
あなた
ち、ちが....ちがう
(なまえ)
あなた
だ、だって...わた、わたしは....晴明のこと...ちが、違う
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
あなたの下の名前、本当に大丈──
晴明は手を伸ばす

気づいたあなたの下の名前が顔をあげ、そして...彼女の表情が見えた
_ @_
......
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
!....ピタ
(なまえ)
あなた
っ...ダッ
あなたの下の名前はその場から逃げ出した

晴明はただ、呆然として逃げるあなたの下の名前の背中を見ていた
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
....あなたの下の名前?















































(なまえ)
あなた
はぁっ、はぁっ...
また・ ・だ、また....逃げてしまった
(なまえ)
あなた
....っ

涙が頬を伝う

あなたの下の名前は何度も足が縺れそうになるのを必死に堪え

ただひたすら走った

(なまえ)
あなた
(わた、しは...何でこんな...なの...?)
(なまえ)
あなた
っ...ギュ

胸が締め付けられるような息苦しさを感じながら

(なまえ)
あなた
(なんで...っ)
(なまえ)
あなた
(わたしは....っ、いつに...なったら....)

あなたの下の名前は突き当たりの教室の扉を乱暴に開け中に入っていく

埃っぽい匂いが鼻についた

(なまえ)
あなた
っ...はぁっ、はぁ
荒い息遣いが、静かな教室に響く
(なまえ)
あなた
(苦し...い)
(なまえ)
あなた
(上手く....呼吸が、できない...)

窓から差し込む光が辛うじて室内を照らしていた

あなたの下の名前はフラフラと奥まで歩く

(なまえ)
あなた
っ...ギュ

そして壁に背中を預けズルズルと座り込んだ

(なまえ)
あなた
(どうして....こんなことになったの)
(なまえ)
あなた
(な、んで....)
理由は、分かってる
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
"えへへ...."
嬉しそうに絆創膏を見る晴明を見て....
(なまえ)
あなた
"....."
酷い怪我じゃなかったことに....晴明が笑っていることに

ホッとしている自分がいた
(なまえ)
あなた
"酷い怪我じゃなくて....良かった"
そんなこと思っちゃいけなかったのに....
(なまえ)
あなた
なんで、わたしは...安心、したの?
(なまえ)
あなた
な、んで...っ
わたしは晴明が嫌いなのに...
(なまえ)
あなた
大嫌い...って
(なまえ)
あなた
そう、思ってる...はず、でしょ...っ?
(なまえ)
あなた
いや、だ....
それだけは....信じたくない
(なまえ)
あなた
それ、だけは....あっちゃいけない...の
(なまえ)
あなた
っ、それだけは....


そんな時だった
???
ああ、なんて可哀想・  ・  ・なお人形さん
_ @_
....ぇ?
聞き慣れた声が聞こえた

今まで嫌になるほど聞いた....心の底から大嫌いな声が
(なまえ)
あなた
....スッ
顔を上げ、声の主を見る
(なまえ)
あなた
っ...ど、どういうこと...?
見飽きるほどに見た黄色の長い髪に、光を失った青い瞳

そして張り付いたような
(なまえ)
あなた
わ、たし...?
※※
※※
ほ〜んと....かわいそう
不気味な笑み
(なまえ)
あなた
君は....なに
※※
※※
ふふ、見たら分かるでしょ?私はキミ・ ・だよ
※※
※※
"わたしが大嫌いな私"
(なまえ)
あなた
なに、言って....
※※
※※
いやー、ずっとキミがひとりになるの待ってたんだよ?やっとひとりになってくれた
※※
※※
スッ....よいしょ
それ・ ・はあなたの下の名前に近づいて目の前にしゃがみこむ

あなたの下の名前は体を震わせた
(なまえ)
あなた
ビク...ち、近寄らないで──
※※
※※
ねえ..."人間ごっこ・  ・  ・  ・  ・は楽しかったかい?"
そう耳元で囁いた
_ @_
....っ
※※
※※
み〜んな可哀想...
※※
※※
キミのその身勝手な言動のせいで、みんなが不幸になってることにそろそろ気づきなよ
その声は、酷く冷たく恐怖すら感じた
_ @_
わ、たしの...せい?
※※
※※
そう、キミのせい
※※
※※
騰蛇と天乙が悲しむのも、あの哀れな猫達が不幸になったのも....全部、キミのせいだよ
_ @_
っ...ギュ
※※
※※
キミが奪ったんだよ
※※
※※
みんなの幸せを、みんなの..."彼女しあわせ"を、ね
ニッコリと笑いながらそう言った
_ @_
っ!
※※
※※
今度は....
手を伸ばしあなたの下の名前の頬に手を添えて
(なまえ)
あなた
っ....放しっ──
※※
※※
"優しい彼の幸せ・ ・すらも奪おうとしてる"
(なまえ)
あなた
ビク....
_安倍 晴明@あべ はるあき_
安倍 晴明あべ はるあき
......
(なまえ)
あなた
っ、違う!
※※
※※
違わない、何も違わないよ
その声は優しく、子供を宥めるかのように言う
(なまえ)
あなた
違う、私は...そんなこと....っ
※※
※※
どうして、そこまで否定しようとするの?
※※
※※
"それがキミでしょ?"
(なまえ)
あなた
....ぇ?
※※
※※
キミは、今までずっと誰かの幸せを奪って生きてきたんじゃん
※※
※※
不幸にしてきたんじゃん
(なまえ)
あなた
ち、ちがう....
※※
※※
優しさを無下にして
※※
※※
みんなに、彼に....心無い言葉を吐き捨てた
(なまえ)
あなた
違う...っ
※※
※※
それなのに....
※※
※※
キミは"愛して"だなんてほざくの?
先程までとは違う、低く冷たい声
(なまえ)
あなた
っ!
※※
※※
"あなたの下の名前"はみんなから愛される存在
※※
※※
元気で、優しくて
※※
※※
みんなを照らす太陽みたいな笑顔の女の子
(なまえ)
あなた
や...だ
※※
※※
フッ...バカみたい
※※
※※
あれだけ他人を拒絶しておいて、都合がいい時だけ"愛して欲しい"なんて....
嘲笑を零してそれ・ ・は言った
※※
※※
"虫が良すぎるでしょ"
(なまえ)
あなた
ぁ...
※※
※※
なんて....醜いんだろう
※※
※※
きっと、誰もが口を揃えて言うだろうね
(なまえ)
あなた
いや...や、めて...
※※
※※
キミは違う
※※
※※
キミは偽物だって、まがいものなんだって
(なまえ)
あなた
ゃ、めて...
※※
※※
いいかい?
笑顔を崩さないまま、それ・ ・は手を伸ばす

そして....
※※
※※
ガッ....どこにも、初めから、お前の居場所なんてありはしないんだよ
思い切り頬を掴み、そして言葉を吐く
(なまえ)
あなた
っ...!
ポタ...ポタ
※※
※※
....あらら、泣いちゃった
_ @_
...っぅ
あなたの下の名前は顔を手で覆い隠し、俯いて涙を流す

声を殺すように
※※
※※
ふふ、きっとあの子・  ・  ・も....キミが居なければもっと幸せだったのかもね
_ @_
あの...こ
※※
※※
哀れで可哀想な、"災厄の子"
_ @_
....!
そう言われて思い浮かべたのは...."不器用な笑顔"

"わたし"の大切な....
※※
※※
....姉とまで慕った存在に裏切られて、捨てられて....身勝手に記憶すら消されるなんて
※※
※※
本当に...かわいそうな子
_ @_
っ...ギュ
違う....なんて言えない

だってわたしは、あの子から逃げたんだから・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
※※
※※
あはは、こうして考えてみると....キミは生まれてきたこと自体が間違いだったね
※※
※※
早くタヒんじゃえばいいのに
_ @_
っ、わ...たしは、望んでっ...生まれたわけじゃ....ない、生きてるわけじゃない
_ @_
わたしは...タヒねないから
だって、"わたし"は神様だから
※※
※※
......
_ @_
"死ねるんだったら、死にたいよ...っ"
※※
※※
そっか
明るい声、嬉しそうな....そんな声
※※
※※
それなら言ってくれれば良かったのに、そんなにタヒにたいなら私が殺してあげるよ
※※
※※
ね、別に良いよね
_ @_
出来るわけ....ない
※※
※※
簡単だよ?
そう言ってあなたの下の名前の耳元でこう告げた
※※
※※
"人を殺して妖怪に堕ちればいいんだよ"
_ @_
....
それ・ ・はニコやかに穏やかにそう言い放った
※※
※※
ね、簡単でしょ?
※※
※※
だって、キミの傍には....丁度いいのが"ひとり"居るんだから
_ @_
丁度いい、の?
何故か、胸がザワついた
※※
※※
元々そのつもりだったでしょ?
_ @_
っ、や...だ、聞きなく...な
あなたの下の名前は耳を塞ごうとする

しかし、それ・ ・はあなたの下の名前の腕を掴み耳元に顔を近づけて囁く
※※
※※
"その為に、晴明にんげんに近づいたんだよね"
_ @_
っ...!
_ @_
違う!ちが、わたしは....晴明と....ただ
※※
※※
本当に?
_ @_
っ...
※※
※※
馬鹿みたいなお人好しで弱々しい性格、さぞ....付け入るにはやりやすい人間だったよね
※※
※※
笑顔を見せて近づいて
_ @_
や....めて
※※
※※
優しい言葉で彼の懐に入り、自分の思い通りに....あはは、根っからの騙す側じゃん
※※
※※
"優しい彼は不幸だね"
_ @_
っ、やめて...いや
※※
※※
可哀想な人の子
※※
※※
優しさを利用して、キミは良心すら痛まない....ふふっ、いやキミに心なんてなかったね
_ @_
や、めて...よ...っ
※※
※※
結局、キミは....
※※
※※
"誰かの幸せを奪うことしか出来ない、呪われた存在でしかなかったんだよ"
_ @_
っ....ぁ
その言葉を聞いた瞬間

"わたし"の中の何か・ ・にひびが入った気がした
_ @_
っう...ごめ、なさ...
※※
※※
うん、いいよ
※※
※※
ギュ....大丈夫、私がキミを救ってあげる
あなたの下の名前を優しく抱きしめてそれ・ ・は囁くように言う
_ @_
ごめ...なさい、ごめ...
※※
※※
だから、ね
※※
※※
"はやく、私のところまで堕ちておいで"
優しく...優しい声でそう囁いた
_ @_
っ...ごめ...な...
※※
※※
ふふ....スッ
不気味な笑みを浮かべ、あなたの下の名前に手を伸ばそうとした

その時だった


チリン....チリン


※※
※※
ピタ....鈴の、音...
※※
※※
....あーあ、また・ ・邪魔が入っちゃったかー
暗く...冷たい声
※※
※※
でも、いっか

_ @_
ごめ...なさ、い...ごめ..っ
あなたの下の名前はただ一つの言葉を繰り返す

※※
※※
ふふっ、きっともう"時間の問題だね"
※※
※※
あー楽しみだなぁ...
鼻歌混じりにそれ・ ・は呟く
※※
※※
さあ、あとどれだけ壊したらあなた・  ・  ・は出てきてくれるのでしょうね

※※
※※
"あなたの元々の名サマ"


































チリン...チリン
???
.......
鈴の音が聞こえる

青白い光が薄暗い教室を照らし、女の声が響いた
???
急に呼ばれたから来てみれば....

_ @_
っぅ...ごめ、なさい
あなたの下の名前はまるで人形のように

"ごめんなさい"という言葉を何度も、何度も繰り返す


???
???
....やってくれたな
その声はまるで____
???
???
知らせてくれて良かった、ありがとね
青白い光を纏う女らしきモノの回りを"赤い蝶"が舞う

羽音はまるで鈴の音のよう・ ・ ・ ・ ・ ・
???
???
.......
チリン...チリン
???
???
えぇ....仕方ないわね
???
???
....干渉はあまりしたくないけど....このままじゃ"私"が壊されちゃうからね
そう言って呼吸を整え、そして....
???
???
スゥ....ねんねんころりや ねんころり
???
???
静かにお眠りこの心
唄を歌いながら

それ・ ・はゆっくりとあなたの下の名前に近づいていく
???
???
閉じた自由を諦めて  空を失くした
???
???
"こもりうた"
_ @_
っ...ごめ、ん
しかし、その唄はあなたの下の名前の耳には届かない
???
???
....落ち着いて、ゆっくり息を吸いなさい
???
???
私の声だけを聞いて

"ねんねんころりや ねんころり"

_ @_
ごめ...なさ...
???
???
今だけは....何も考えなくていいから

"静かにお眠りこの心"

???
???
悲しさも、苦しさも
???
???
今この時だけは、忘れてしまっていいから
_ @_
(いやだ、この...うた・ ・は)

"失くした思い出 捨てた夢"

???
???
....ごめんなさいね
???
???
お前にとっての・  ・  ・  ・  ・  ・  ・良い夢は見せてはあげられないだろうけど....時間稼ぎにはなるわ

"冷えた川底深く 沈んでく"

???
???
光る水面  目を閉じて
_ @_
ごめ....なさ....い
ツーと涙が頬を伝う

目元を赤くして、あなたの下の名前は寝息を立てて眠った
_ @_
.....スゥ スゥ
???
???
....ナデナデ
???
???
私に出来るのはここまで、これ以上は怒られてしまう....だから、早くこの子を──
























???
???
──見つけてあげて、"晴明はるあき"

















































花雨
花雨
何日ぶりの更新でしょうか
花雨
花雨
更新自体はたまにしていましたが、最新話の更新は本当にいつぶりだろうか....
花雨
花雨
待ってくれた方、本当にありがとう
花雨
花雨
やっと書けました
花雨
花雨
しかも、その間にお気に入りしてくれた方が100人を超えているという、驚愕の事実
花雨
花雨
本当にありがとうございます!
花雨
花雨
あと、晴明せいめい晴明はるあきの誕生日の話を書きたかったけど書けそうにないので
花雨
花雨
代わりに絵を載せときます
※ ちなみに、ちゃんと誕生日に描いた絵です(10時間以上かかった)
花雨
花雨
あなたの元々の名と晴明せいめいの絵で、題名は"憶那おくりな"です
花雨
花雨
意味は調べてみてね
花雨
花雨
いつか、この絵を使って誕生日の番外編を書けたらいいなあと思いながら描きました
花雨
花雨
ちなみにですが
花雨
花雨
現在、晴明はるあきとあなたの下の名前の絵を制作中
※ 完成しても載せるタイミングは決めてるのでお披露目は遅れるかも
花雨
花雨
本編めっちゃ闇なので、この明るい絵で少しは相殺できたらいいなあと思います
花雨
花雨
では、また次話お会いしましょう
花雨
花雨
おバイバ〜イ

♡582 ☆117 ありがとうございます!

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