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第9話

君とお酒
78
2025/10/15 13:52 更新
誘ったのは、私のほうだった。
あなた
ねぇ、二人で飲まない?
言うと、シオンは少しだけ目を丸くした。
紫咲 シオン
いいけど‥










カウンターの隅、並んで座る。
あなた
何飲むー?
紫咲 シオン
ん〜、じゃあこれ
そう言ってメニューの『スクリュードライバー』を指す
あなた
え〜、オレンジジュースじゃん
あなた
かわいい〜w
紫咲 シオン
うるさい。あなたの下の名前は?
あなた
え〜、じゃあ、アラスカにしよ
紫咲 シオン
なにそれ?
あなた
強いやつ!



運ばれてきたグラスを並べると、
金色の透明と、鮮やかなオレンジがテーブルで出会う。
あなた
かんーぱーい!
紫咲 シオン
……はいはい、乾杯


氷の音が、夜に溶けた。





一口飲む
やっぱ、強い
シオンが飲んだらすぐに酔ってしまいそう
あなた
ねぇ、シオン。オレンジの色、似合うね
紫咲 シオン
なにそれ。
あなた
かわいいなーって
紫咲 シオン
.......酔ってるでしょ
あなた
まだ一口目だよ!?
笑っていると、シオンがむっと頬をふくらませる。
紫咲 シオン
なんでニヤニヤしてるの
あなた
だって、シオンってさ……酔う前から顔赤いじゃん
紫咲 シオン
はぁ...!? 意味わかんない.......
その声が可愛すぎて、危うく口に出しそうになる。

 言葉にしなくても、伝わってしまいそうで、息をのんだ。



ストローをくるくる回す指先。
 その仕草ひとつで、世界が柔らかくなる。
あなた
ねぇ
紫咲 シオン
ん?
あなた
いつもありがとね
紫咲 シオン
あたりまえじゃん
あなた
好きだよ
紫咲 シオン
酔いすぎ
あなた
じゃあ、明日シラフで言う
紫咲 シオン
はいはい、好きにして
そう言ってシオンは軽く流す。

しかし、お酒のせいか顔が赤い










その夜、グラスの氷が最後の音を立てた瞬間、
 シオンの笑みが、ぼんやりと滲んで見えた。











めっちゃ自信作!

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