誘ったのは、私のほうだった。
言うと、シオンは少しだけ目を丸くした。
カウンターの隅、並んで座る。
そう言ってメニューの『スクリュードライバー』を指す
運ばれてきたグラスを並べると、
金色の透明と、鮮やかなオレンジがテーブルで出会う。
氷の音が、夜に溶けた。
一口飲む
やっぱ、強い
シオンが飲んだらすぐに酔ってしまいそう
笑っていると、シオンがむっと頬をふくらませる。
その声が可愛すぎて、危うく口に出しそうになる。
言葉にしなくても、伝わってしまいそうで、息をのんだ。
ストローをくるくる回す指先。
その仕草ひとつで、世界が柔らかくなる。
そう言ってシオンは軽く流す。
しかし、お酒のせいか顔が赤い
その夜、グラスの氷が最後の音を立てた瞬間、
シオンの笑みが、ぼんやりと滲んで見えた。
めっちゃ自信作!










編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!