今日は少し遅めに家を出てきてしまった。昨日は部活がか長引いてねる時間が遅くなったから、起きる時間も遅くなってしまった。だが遅刻するほどの寝坊ではないから、そこは安心だ。それにどうせ今日もあのアニコブのどちらかが、遅刻かギリギリに来るだろう。そう考えていると珍しい人が自販機の前にいるのを見つけ、近づいて挨拶をしに行く。
「おはようございます甲斐田くん、今日は意外と早いですね何かあったんですか?」
「?あれもちさんだ、それさっきも話しませんでした?」
「え?」
「てかもちさん、さっき楽屋で待ってるって言ったのに来たんですねぇ〜寂しくなったんですか?ニヤ」
「いや、、、僕今来たばかりですよ」
「え?いやいやさすがにそんな嘘通じませんよ!笑」
「マジですよ、こんな誰でもわかるような嘘を僕がつくとでも?」
「た、確かにそうですけど、、、ならあのもちさんは、」
「、、、ドッペルゲンガーとかですかね」
「ドッペルゲンガー、、、あ!なんか聞いたことありますよそれ!」
「それは知ってるんですね」
「まぁたまに似たような話聞いたりするんでね!配信者なので!」
「はいはい」
どうやら珍しく甲斐田くんも知っていたようだ。僕は他の3人より知識があるため、ドッペルゲンガーへの対策もちゃんと考えている。だが対策したところでだ、相手は人間じゃない。どういう動きを取ってくるか謎なため、一つ一つ気おつけなければならない。まぁ今回のやつは狙いを僕にしたから、最悪の場合にはならないと信じたい。対抗手段があるとは言え油断大敵だ。そう考えながら楽屋へ向かう。
「もちさん」
「はい?」
「大丈夫です!今度は僕達がもちさんをお守るので!」
「!、、、ふっ、それは心強いですね」
「ふふん〜そうでしょ?」
ちょっと最近までビビリでへっぴり腰だったのに、急に頼もしくなりますね。まぁそこが彼のいい所でもあるんですけどね。適応が早いのはいいことです。甲斐田くんはドッペルゲンガーのことを、知っているには知っていたが少しだったため一応説明しておいた。
「やっぱりいなくなってる!さっきまで楽屋の椅子に座っていたのに」
「移動したようですね、ドッペルゲンガーに会うと"不幸や死の前兆とされる"と言いますから早めに退治したいですね」
「えっそうなんですか!?なら他の人たちも心配ですねッいったぁい!」
「あー言ったそばから、、、」
「うぅー、机の角に腰ぶつけた、、、痛い」
「そのぐらいの不運で済んで逆に安心ですよ」
「そ、そんなぁ💦」
ふわっちにはお守りをあげたから、僕のドッペルがふわっちに近づくことはあまりないだろう。 社長はどうだろうか、あの人は詳しいだけで4人の中で一番対策していない。だけどあの社長がドッペル如きに負けるなど到底思っていないため、社長にもあまり心配する要素はない。だがドッペルは事務所にいることは確定的だ、となると他の人がドッペルに会うことになる。僕ぐらいだろうけど、本人からドッペルに会いに行くなんてそうそうないが退治しなければならない。危険度は高くなるが仕方ない。
「おは〜ぁ、あれ?もちさんさっきスタッフさん達と話してなかったっすか?」
「!もちさん様子見てきますね」
「お願いします」
「え?え?どういうことや?」
「実は、、、」
僕の代わりに甲斐田くんが、スタッフ達の様子を見に行ってくれた。その間にふわっちにも、僕のドッペルゲンガーが出たことを伝える。ふわっちもドッペルゲンガーのことを少し知っていたため、あまり説明をせずに終わった。あと残り来ていないのは社長だけ。もしかしたら社長も、僕を見掛けるだけになるかもしれない。だがそっちの方がいいだろう、直接会うと何が起こるか分からないから。
「もちさんは大丈夫なんすか?」
「今のところ何も無いので大丈夫ですよ、ありがとうございます」
「もちさん、確認してきました!」
「おはようございます、今日は私が最後でしたか」
「社長と合流したんですね、おはようございます」
「おは〜しゃちょぉ〜」
「おはようございます、甲斐田さんから事情は聞きましたけど大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ僕は強いですしあなた達もいますから」
「も、もちさんがいつもより素直、、、ドッペル?」
「口の利き方には気おつけた方がいいですよ」
「ひぇっ!本物だァ!」
「ふふでも嬉しいですね」
「せやねぇ〜、そういやもちさんがそのドッペルに会って平気なん?」
「ないとは思いますが、最悪成り代わられるか精神崩壊でBADENDですね」
「ぎゃあああああああああ!」
「うるさいですよ甲斐田さん」
「いやいやいやいや!なにそんな冷静なんですか!失敗したら不味いんですよ!?」
「もちさんなら大丈夫やろ〜」
「ていうか!ドッペル倒すのもちさんじゃなくても良くないですか?」
「実際どうなんですか?」
「でもあなた達退治できないじゃないですか、甲斐田くんのは魔の特化したものだからちゃんとは祓えないと思いますし」
「そうやん、甲斐田は論外やな」
「おいー!甲斐田だって霊くらい祓えますよ!
「まず見えるんですか?」
「見える方です!」
「甲斐田くん後ろにあくr(((((」
「いやあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!?」
「ダメだこいつ」
「無理ですね」
「やはり僕がやらなければですね」
「くそぉぉ、、、っ!」
そんな戯れをしていたら1人のスタッフが呼びに来た。もうそんな時間なんだと思い、急いで準備を整え撮影を始める。数人のスタッフは僕を見て、少し驚いた表情や態度をだしていた。やはりドッペルが事務所の中を歩き回っていることがわかった。しかも自ら接触もしているため、本当に急がなければならないんだと焦りを感じた。
「とりあえず少数の方には剣持さんのドッペルのことを連絡しときました」
「もしこれで発見されたら急いで向かいましょう!4人でなら倒せますよ!」
「俺攻撃手段ないけどな」
「ふわっちは攻撃手段はないものの、お守りのおかげで少し寄り付かれにくくなってるよ」
「まじっすか」
「よかったですね」
「甲斐田がもちさんのサポートします!」
「甲斐田くんにできますかね〜?」
「できますよ!」
撮影が一段落し、全員で楽屋に戻り何名かのライバーにドッペルのことを伝える。そのライバーから剣持刀也を見かけたと、連絡が入った瞬間に急いでそこに向かう。この作戦は周りを巻き込むからあまりしたくないのだが、仲間思いのメンバーを持つとそんなのみんな気にしないの一点張りになり、結局この作戦になった。そんな話をしていると、突然スマホから通知音がなる。
「!葛葉達がドッペルを見つけたらしいです」
「急いで向かいましょう」
「待ってろよドッペルゥ!」
「絶対倒してやりましょう!」
それぞれがそれぞれの言葉を発し、ドッペル退治へと向かう。
「ここら辺と聞いたんですが、、、」
「もしかしたら相手は剣持さんが1人になるタイミングを狙ってるのかもですね」
「え!?そんなことされたらサポートできませんよぉ、!」
「でもしゃちょぉの言うこと本当やったら、そうした方が倒せるんやない?」
「そうですね、甲斐田くん心配しすぎです、、、僕は大丈夫ですよ」
「そうなのかもしれませんけどッ!」
「甲斐田さんこういう時こそ冷静さが大事ですよ」
「そうやで、だから笛鳴らすんやで」
「自分のギャグであんな鳴らしてるならこれはもっとうるさくなりそうですね」
「今そんな話しなくてもいいですよ!?嫌がらせですか??」
「まぁとりあえず別れて探しましょう、もし見つけたとしても接触せずバレないように僕に連絡をしてください」
「そうですね」
「了解!」
「わかり、ました、、、けどサポートできない代わりに一応お札渡します!霊用じゃないから少ししか効果ないと思いますが、、、」
「それでも十分だよ、ありがと」
「!、はい!」
社長は冷静に、不破くんはいつものような返事で、甲斐田だけが納得のいかないような返事をしながらお札を渡しきて、お礼をしたら機嫌が良くなった。そこから一斉に別れて行動する。
「(これでできてくれた方が楽なんだけどな)」
"見つけた"
「現れましたね、ドッペルゲンガー」
僕は警戒しながらも冷静に竹刀を取り出す。間合いの詰め方を間違えれば終わる、精神崩壊も成り代わられるのもどっちも嫌。ドッペルに気付かれないように、スマホを後ろに隠しながら連絡をする。
"僕が剣持刀也ですよケラケラ"
「そんなわけないでしょう剣持刀也は僕です、偽物が本物を偽るなどできないんですよ」
"ホントニ?"
「!?」
"!、、、弾かれちゃった、ナンデ?"
「(甲斐田くんから御札貰ってて正解だった、ちゃんと効果出てる)」
いつの間にか後ろにいた僕のドッペル。僕に成り代わろうとしたのだろうが、甲斐田くんから貰っていた御札で防げた。が、お札を見ると少し黒ずんでいたため2度目の効果は期待できない。
「もちさん!」
「!ナイスタイミング」
「マジでもちさんそっくりだ!」
"いったぁ、今度は僕が後ろから攻撃されちゃったよ"
ドッペルの後ろから攻撃すると同時に現れた甲斐田くん。その攻撃は致命傷とまではないかないが、効いているためドッペルの気配が薄まった。
「甲斐田くんにしてはかっこいい登場の仕方ですね」
「ひ、一言余計ですよ、!」
"甲斐田くん先輩に向かって攻撃なんて酷いなぁ、一緒にかっこいい大人を目指す仲間なのに"
「あんたを先輩だとも仲間だとも思わない、僕の先輩であり仲間であるのは僕の隣にいる剣持刀也だ」
「(ほんと、なんで普段があんなへにゃへにゃなのか不思議に思うよ)」
"酷いなぁ、、、"
「隙だらけですよ」
"わ、ぶな〜いなぁもうー"
「これならどうだ!」
"へぁ、?"
淡々と攻撃を避けていたドッペルだが、甲斐田くんの術で動けなくなった。多分拘束系の術を使ったのだろう、鎖のようなものが薄らと見える。今がチャンス、これを逃しはしない。
「これで、終わりです!」
"あ"っ、!"
「直撃!」
"っ、、、あーあ、残念"
「僕になろうとしたのが運の尽きでしたね」
残念なりながらドッペルは消えていく。退治できて何よりだと思いながら、この場にいない2人にも連絡をする。
「甲斐田くん」
「はい?」
「ありがとうございました、甲斐田くんの御札のおかげで成り代わられず済みました」
「!もちさんの役に立ててたなら良かったです!」
「ふっ、さて合流しますよ」
「はい!」
「何故連絡をしてくれなかったのです?」
「見つけたんなら言ってくれればよかったんに」
「今日は甲斐田くんが自分からサポートをすると言ったので、後輩の願いを叶えようかなと」
「それで甲斐田さんにだけ連絡したのですね」
「もちさぁん✨️」
「それに社長に連絡したら甲斐田くんの出番無くなってしまいますし」
「それもそやなぁ」
「そうですね」
「うっ、まぁそうっすよねぇ、、、」
「でも初めて甲斐田くんの頼もしいところが見れたので良かったですよ」
「おやそうなのですか?」
「やるやん、さすが俺のコブンやな」
「えへへぇ〜♪」
何はともあれ無事に退治できてよかった。これで一安心だと思いながら退治できたことを謝罪文とともに協力者たちに連絡する。
「そういえば私だけ剣持さんのドッペル見てないんですよね、ちょっと残念です」
「いや残念がるなよ」
「しゃちょぉの豪運が発揮されちゃったんじゃないっすか?」
「もちさんのドッペルなんかのほほんとしてましたよ」
「えーめっちゃ気になる」
「どこまで好奇心旺盛なんですか全く、、、」
「あはは、すみません」
まぁこういう所が社長らしいからいいんですけどね、好奇心旺盛過ぎるのも困りものですが。今回協力してくれた人達、特に甲斐田くんにはお礼をしなくてはですね。
「今回は手を出さずに済んだようですね、まぁ"あの子"が会わないようには小細工しましたけどね」
「あの子に穢らしいものなど見せる必要はない」
どこから見ているのかわからない、正体もわからないその人物は満足気に語る。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。