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第9話

#epilogue 春が来る
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2024/01/26 12:00
kwmrside
僕は僕の相手を見つけた後
その相手は風に乗せられて何処かに行ってしまった。
必ずまた会える。
毎年毎年会っていたはずだから。
kwmr.
だから、
僕はオフィスの中にずっと居るし、インドアで動こうともしないのだ。
僕は、無意識に貴方の到着を待っていたかもしれない。
桜の花言葉を胸に刻んで
僕は今日も、
春に咲き誇る満開の木として、この場に存在し続ける。
春夏秋冬
夏には貴方のようで貴方ではない、緑の葉が生い茂る。
秋にはその葉は散って
冬は枯れる。
期間限定の恋だけど、相手を見つけた僕はもう怖くない。
毎年の春を楽しみにして、ずっと待ち続ける。

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