あなたの下の名前 side
いつも通り白シャツと黒いズボンに着替えて、ブラウンのエプロンをつける。
裏だからマスクつけないと…あれ?ロッカーに箱ごと置いていたマスク、無くなってる。
最近忙しかったしずっと表だけをしてたからすっかり忘れてた。
スンミンさん来てたんだ…リノさんと会った後だったし、何か話せたかもしれなかったのに…惜しいことした。
いやいや、その前にハンさん!
仕事の依頼?前回のことかな。だって新しい依頼代行サービスと何でも屋どっちにも来てないし。
疑問が残りながらも俺は裏でナポリタンの用意を始めた。
At home
仕事が終わって午後8時。
ネットショッピングで買ったウィッグを試しながら、「これめっちゃ自然な髪の流れだな」
とか
「なんか生え際不自然すぎない?」
とか一人、鏡の前でウィッグレポをしていた。
プルルル…プルルル…
この時間に電話してくんのは姉貴しかいない。そう思ってスマホの画面を見たら知らない番号。
でも電話が鳴ってるってことは登録はしてある。
ていうか待て待て。良く考えればこれ代行サービス・何でも屋の方の連絡先にきてるわ。
とりあえず出るか。
まさかの電話の主はバンチャンさん。
「夜分に失礼します」って、まぁこっちが電話での受付午後7時〜午前1時までにしてんだけど。
プツッ、ツー、ツー、ツー
直接電話するってマジでこの社長礼儀良すぎない?
ほとんどメールでの依頼だし、なんなら同じとこから2回目の依頼来ること自体が稀すぎるし。
こんな名もない俺にわざわざ電話て…逆に申し訳ない。
仕事は2週間後か、結構あるな。
少し余裕もっても大丈夫だな。…あ、メールの方でもなんか依頼来てる。
確認するか。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!