とある 、名もなき街 ___
オレが住んでいたはずの街は
今ではどこもかしこも崩壊しており 、
昔の活気な雰囲気はなくなっていた 。
スラム街 、と言った方がいいのだろうか 。
それほど 、街は原型を留めていなかった 。
そんな壊れかけた故郷を見て 、
オレは小さく溜息を吐いた 。
オレは少し懐かしそうに 、
でもどこか軽蔑するかのように
故郷を見つめながら小さく呟いた 。
黒の軍の K にお使いを頼まれていたオレは
国境を跨る橋を渡り 、遠い街へ来ていた 。
その帰る途中で丁度故郷が近いことに気付き 、
久しぶりに見てみることにしたのだ 。
___ あぁ 、昔と何も変わらない 。
どこを歩いても 、どこを見渡しても 、
" あの時 " のままの街で 。
… 少し 、吐き気がした 。
ぼーっとしながら歩いていたら 、
いつの間にか昔通っていた学校にいた 。
門や扉 、壁は所々傷付いていて 、
窓は割れてガラスの破片が飛び散っていた 。
ここが … 学校こそが 、オレにとっての
一番安全な場所だったはずなのに 。
叶うはずのない夢を 、信じれた場所なのに 。
そんな夢は 、完全に打ちひしがれた 。
まるで 、オレの心を嘲笑うかのように 、
一瞬で ___ 全てが消えた 。
幸せな日々 、暖かい食事や布団 、
大切な人達だって ___
もう彼等は戻ってこない 。
オレがどんなに苦しんでも 、泣き叫んでも 、
この声はきっと … 届かない 。
もう 、過去の話なのだから 。
オレは学校に背を向けて 、歩き出す 。
オレは 、今いる場所で何とかやっていけてる 。
黒軍の A だか 、戦闘狂だかは知らない 。
ただ 、オレは ___ 死にたくないだけ 。
今を生きることにすら全力で 、
必死に生にしがみついているだけ 。
オレは生きなきゃいけない 。
見て見ぬふりをして置いてった皆の分まで 。
だから 、邪魔する奴は誰だとしても
絶対に … 許さない 。
オレは自分の領地へと足を進める 。
… 重い罪を 、胸の中に抱え込みながら 。
堕落に向かう世界で 、 ??? は未来を幻視した 。
新たなる人類が築く未来を 。
滅びゆく今が 、生にしがみつく罪が 、
彼を絡めとらんと手を伸ばす 。
退路無く選択を迫られた ??? の選んだもの 。
全ての罪が浄化された世界で目を覚ますのは誰か 。
___ Mosquitone
レイ ショートストーリー / 𝑭𝒊𝒏 ໒꒱· ゚











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!