風鈴が涼しい音を奏でる炎天下。
特に用事もないのでゴロゴロしていると、ピコン と電子端末から音がした。どうやら久しぶりに中学の級友たちと遊ぶらしく、「暇ならお前も来ないか」という連絡だった。
特に用事もなく、仲の良かった友人なのでその誘いに応じることにした。
今日はどの道を通ろうかなと思いながら、“いつもと同じように”お参りをしに行く。
どこに行くにも必ず通る道にある古びた神社は、幼い頃に見つけた秘密基地のような存在で、いつの間にか通うようになっていた。
鳥居の上の鴉が今日はやけに多いのを不思議に思いながらもお参りを済ませようと、鈴緒に触れ左右に揺らし、柏手を2回打つ。すると後ろから チリン と音がした。神社のガラガラとは違う、かわいらしい鈴の音。
「あんた、ここら辺の子ですか」
突然聞こえた、心地良いテノール。
びっくりして後ろを振り返ると、そこには鴉を従わせて優雅に歩く青髪の青年。
この時代にはあまり見ない古風な服装で、下駄を カランカラン と鳴らしながら近づいてくる。
嵐のように突如として現れた彼は私を指差して言った。
「遊びませんか? 誰もが知ってる昔遊びで。
まぁ、あんたの宝物は預かっているんでほとんど強制ですが」
何を言っているのか。宝物など、何かあったか?
わけのわからぬ事を、と思いながら青髪の彼の横を通ろうとすると後ろから小さな話し声が聞こえた。
そして、さっきの青髪の彼とはまた違った、綺麗なよく通る声が境内に響く。
「ぼくが鬼ね! ほらほら早く位置について!」
鬼? 位置につく? これ遊びに巻き込まれてないか?
というか後ろは神社ではなかったか?
色んな疑問が過ぎり、ここにいてはまずいと直感。
後ろを振り返らずに走り出そうとすると腕を掴まれ、思わず隣にいた青髪の彼を見る。彼は光のない綺麗な琥珀色の双眸をこちらに向けていた。
「それじゃあ始めるよ」
その声に引かれるように後ろを振り向く。
そこは先程の見慣れた神社ではなく、知らない小さな廃神社の横に大きな木があった。そして、その大木のすぐ前に黄緑色のふわふわな髪の毛をした声の主がいた。声の主に気を取られて、気付いたら両端にはメガネをかけ、紅紫色の髪をした真面目な印象の人と、長い銀髪の綺麗な人、そして隣には青髪の彼。
参加する気なんてない。待って、という前に大木の前にいる声の主が始めた。
「だーるまさんがこーろんだ」
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!