第10話

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2025/06/02 11:22 更新
~アリアナside~
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
ここが今日からわたしが通う学院……!
わたしの名前はアリアナ・ベルニー。

光魔法が使えるということで、平民でありながら特別にこの王立魔法学院に入学することを許された。

といっても、正直恐れ多い。

だってここには、王家や名門貴族の御子息や御令嬢がたくさんいるんだから!

少し耳を傾ければほら……
モブ
御覧なさって?あれが噂の平民だそうですわよ。
モブ
まあ!場違いにもほどがありますわね。
モブ
光魔法が使えるとはいっても、平民の魔力量なんてたかがしれています。せいぜい魔道具を少し光らせられる程度にきまっていますわ。
場違いなのはわかってる。

わたしだって正直、こんなところ行きたくなかった。

大好きな友達とも、家族とも、離れ離れ。

確かに食事が薄いパン一切れとポタージュしか出ない実家よりはマシだけど……

お貴族様となんて、一生関わらないと思ってたし、関わりたいとも思っていない。

でも、ここを優秀な成績で卒業したら、奨学金が出ると聞いた。

お父さんとお母さん、それに、3人の弟と4人の妹……みんなの生活が楽になるんだ。

そう考えると、今更こんなところで泣いてる場合じゃないんだ!
ドンッ
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
きゃっ!
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
すっ、すみませ
紫色の髪を綺麗にまとめた黒いドレスを着た令嬢とぶつかってしまった。
???
どこを見て歩いていらしたの!
彼女はその瞳に怒りと軽蔑の炎を浮かべ、わたしを睨みつけていた。
???
上級貴族が歩いてきたら道を譲る!そんな単純なこともわかりませんの!?
???
いくら平民とはいえそこまで常識しらずだとは思いませんでしたわ!
???
まあまあ一旦落ち着いてくださいませ、シューヴィン様。
後ろから声がかかった。
振り返ると、肩くらいに切りそろえられた茶髪に片目を隠した令嬢がいた。
???
恐れながら申し上げます。
下級貴族のわたくしと違って彼女は根本からの平民でございます。
???
ゆえにまだ上級貴族の前での立ち居振る舞いが覚えきれていないのです。
???
ですのでどうかご容赦を……
???
それでもシューヴィン家を知らないのですよ!?
???
今まで貴族とはなんのかかわりもない平民社会で生きてきたのですから当然でしょう。逆に将来平民たちを治める立場になられるグレーテル様こそ、たまには下々の気持ちに歩み寄ってみたらいかがですか?
???
っ、下級貴族の分際で……!
???
いいわ、マーガレット。
マーガレット・ローウェル
マーガレット・ローウェル
ですが……
グレーテル・シューヴィン
グレーテル・シューヴィン
シューヴィン侯爵家令嬢グレーテル・シューヴィンですわ。
グレーテル・シューヴィン
グレーテル・シューヴィン
この学院で生きていくためにせいぜいそのなけなしの教養の中にその名を刻み付けなさい。
マーガレット・ローウェル
マーガレット・ローウェル
……ローウェル家伯爵令嬢、マーガレット・ローウェルと申しますわ。
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニーです!先ほどは申し訳ございませんでした!
グレーテル・シューヴィン
グレーテル・シューヴィン
そう。
グレーテル・シューヴィン
グレーテル・シューヴィン
行きましょう、マーガレット。
マーガレット・ローウェル
マーガレット・ローウェル
ええ。
マーガレット・ローウェル
マーガレット・ローウェル
オリビアはまだでしょうかね?
グレーテル・シューヴィン
グレーテル・シューヴィン
わたくしに合わせられないなんて……わたくしの派閥失格ですわね。















































???
……あぶなかったぁ……
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
あっ、あの!
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
先ほどは、ありがとうございました!
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
お名前を伺っても……?
ナタリー・フランネル
ナタリー・フランネル
わたくしはナタリー・フランネル。
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
フランネル様、先ほどは本当にありがとうございました。
ナタリー・フランネル
ナタリー・フランネル
先ほども申し上げた通りわたくしはもはや下級貴族です。実質平民と大差ありませんので、ナタリーでいいですよ。
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
ところで、なぜ先ほどの方から庇ってくださったのですか?
ナタリー・フランネル
ナタリー・フランネル
彼女が身分を振りかざしてヒステリックに騒ぐのはいつものことですから。
ナタリー・フランネル
ナタリー・フランネル
この際ですし、お友達になりませんか?嫌なら、いいですけど……
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
いえいえ大丈夫です!わた……くしもこれからの6年間、ずっと平民平民と後ろ指を指されながら生きていくのかと思っていましたから!
ナタリー・フランネル
ナタリー・フランネル
それはよかったです。では、
アリアナ・ベルニー
アリアナ・ベルニー
はい!これから貴族社会のこと、いっぱい教えてくださいませ!

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