〈🍺Side〉〈数時間前〉
目が覚めた。見慣れた自分の部屋の天井だ。
スマホの電源を付けると、まだ五時前だった。
俺は、リビングに降りていった。
リビングのドアを開けると、ほとけがいた。
珍しく早起きしたようで、ソファにちょこんと座っている。
こいつは『ほとけ』。俺の弟だ。
『起立性調節障害』という障害を持っている。
こういうことは言っちゃダメだが……正直「いいな、」って思う。
障害を持ってたら、それだけで皆から愛してもらえる。
ほとけは元気に返事をする。
この可愛さに心底むかつく時がある。
そう言ってキッチンに立つ。
…朝ご飯、何がいいかな
卵、食パン、バター、砂糖……材料は揃ってるな
鼻歌交じりに五人分の朝ご飯を作っていたら、
残りの4人の兄弟がリビングに来た。
俺もおきてるのに、誰も話しかけてくれない…。
透明人間にでもなったような気分や、
もう、疲れた
朝食作るのに集中しよ―――
アニキが俺に抱きついてきた。
俺が料理中でもお構いなしだ。
あにきは、俺にとても優しくしてくれる
だからこそ、申し訳ない
俺はもう、皆を”好き”になれないんだ。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!