翌日、ストーカーもいなくなったことだし、ゆっくり眠ることが出来て、いつも通りカフェで働く。
ちらほらお客様はいるけど、そこまで多くはない。
お客様から注文を受けたコーヒーを運ぼうとした時、触り方を誤って、とても熱いところを触ってしまった。
咄嗟に手を離してしまい、やばいと思いつつ、これから溢れるであろうコーヒーに手を出してももう遅い。
思わず目をぎゅっと瞑ると、暖かい何かに身を包まれて、遠くの方でコーヒーカップが割れる音がした。
目を開けると、
なんと、昨日の韓国人の男性が、自分の右手を気にして顔を歪めていた。
この状況から見ると、彼は左腕で私を庇うように抱き寄せ、右手でコーヒーカップを跳ね除けたのだろう。
だから遠くの方でカップが割れて、彼は熱さから顔を歪めている。
同僚の友達が溢れたコーヒーと、散らばったカップを片付けてくれている間に、私のハンカチを巻いた氷を彼の手に当てる。
昨日と同様、優しい笑顔でそう声をかけてくれる。
今までに何人もの女性を虜にしてきたんだろう。
改めて明るい場所で見ると、かなりのスタイルの良さ。
慌てて彼から離れようとすると、さらにぎゅっと抱きしめられる。
さっきよりも少し低い声で、私の耳元で囁くものだから、思わずドキッとする。
彼の顔を見れば、意地悪そうに笑っている。
そう言って私の頭をポンポンと撫でると、ようやく離れてくれた。
とは言っても、日本人の感覚としてはまだまだ近すぎるけれども。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。